誰でも「もらってうれしい年賀状」を受け取ったことがあると思います。その反対に「もらってうれしくない年賀状」が届いたこともあるはずです。では、その違いはどこから来るのでしょうか。どうすれば、「もらってうれしい年賀状」を書くことができるのでしょうか。
年賀状に関するアンケートの結果
万年筆やステーショナリーなどでおなじみの株式会社パイロットコーポレーションでは、毎年「ビジネスマン・OL の年賀状に関するア ンケート調査」を行っています。2019年に実施した調査結果(※)によると、「もらって一番うれしい年賀状のタイプ」は、1位が「手製のイラスト、版画、 絵手紙、達筆な文字で書かれたもの」(59.3%)。次いで、「家族写真が入っているもの」(19.8%)という結果になりました。
※首都圏のビジネスパーソン430人を 対象に11 月 1 日〜15日実施。
1位 手製のイラスト、版画、絵手紙、達筆な文字で書かれたもの
2位 家族写真が入っているもの
さらに、「年賀状をもらって一番気になるところは何か 」という質問については、「添えられたメッセージの 内容」が71.6%と、圧倒的多数を占めました。やはり、送ってくれた人からのメッセージは、うれしいものですよね。続く2位は「デザインのおもしろさ」で13.7%。3位は「写真(誰が写っているか)」で8.8%という結果になりました。
1位 添えられたメッセージの内容
2位 デザインのおもしろさ
3位 写真(誰が写っているか)
これらはどれも、少し手間暇がかかるものばかりです。このアンケート結果でわかるように「もらってうれしい年賀状」というのは、送り主の心を感じることができる年賀状だということになると思います。ちなみに、写真については、家族の個人個人の写真ならいつでも簡単に撮れますが、家族全員が一緒に写真を撮ると言うのは、全員の時間を合わせることが必要なので、思ったより難しいのです。
なぜ、「もらってうれしくない年賀状」になってしまうのか
一方で、「もらってうれしくない年賀状」と言うのは、「全面印字で手書きのメッセージがない」など、書いた人の気持ちが伝わってこない年賀状ということになりますね。ではなぜ、「気持ちが伝わらない年賀状」になってしまうのでしょうか。それにはいろいろな理由が考えられます。
年賀状を大切なものとか必要なものと思っていない
最近は、コンピューターや携帯電話の普及で、人との情報のやり取りが簡単にできるようになってしまい、あえて紙の年賀状を出す理由が分からなくなっている人が多いと思います。でもいつもは字をタイプすることばかりですから、かえって年賀状というのは、紙の上に、手書きのできる良いチャンスなのではないでしょうか。年賀状を出す意味が分からなくなってしまった人は、ぜひ「お年玉くじ付き年賀状」がどのようにして始まったのかについての記事を読んでみてください。年賀状の持つ意味も分かってくると思います。今は、ITが発達して、簡単に連絡が取れるので友人・知人のありがたさも薄くなってしまったのかもしれません。
アイデアがない
「心のこもったユニークな年賀状を出したいんだけれど、どうすればいい?」と悩んでいる人も多いと思います。そういう人は、たぶんこれまで、アイデア出しに悩んで結局なんのアイデアも出ないまま、「全面印字で手書きのメッセージがない年賀状」などを出していた人なのではないでしょうか。
時間がない
時間がないことを理由に挙げる人もいます。でも、人間は、自分にとって本当に大切だと思うことは、どんなことがあっても時間を作り出そうとするものです。ですから「もらってうれしい年賀状」を書くには、時間を作り出せばいいのですが、実際の生活では、年賀状よりも優先しなくてはいけないものが多いのも事実ですね。
仕事上仕方なく出している
仕事関係で年賀状を出すときには、大抵の場合、年賀状は両面とも印刷だけのものになりがちです。それはなぜでしょうか。ビジネスには心が伴わないと、割り切ってしまっているからではないでしょうか。けれども仕事やビジネスはビジネスパートナーや顧客がいなければ成り立たないのですから、年賀状は日ごろの感謝の気持ちを表わすものだと思ってはどうでしょうか。
「もらってうれしい年賀状」を書くには?
では、どうすれば「もらってうれしい年賀状を書くことができるでしょうか。次の4つの場合に分けて考えてみたいと思います。
アイデアがあり、時間もある。
ユニークなアイデアがあって、時間的なゆとりもある場合は、最高に素敵な年賀状が書けるでしょう。昨年とはまた違ったアイデアを考えて、いろいろ工夫し、受け取る人毎にユニークなものを考えてください。新しい年への抱負や希望などを織り込んで、更に心に残る年賀状を作ってください。
アイデアはあるが、時間がない。
アイデアはあるけれど時間がない場合は、自分のアイデアを使ってテンプレートを作成し、それを自宅のプリンターで印刷したり、印刷屋さんに依頼すれば、時間の短縮ができるでしょう。出来上がったものに、「今年もよろしく」のような簡単な言葉を手書きで付け加え、自筆のサインを入れてください。サイン一つでも手書きの部分があるのとないのとでは、受け取った時の印象がずいぶん違うものです。
アイデアはないが、時間がある。
「時間はあるんだけれど、いいアイデアが浮かばない」という場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。その中には、簡単にできる物もあります。いろいろトライしてみて、自分に一番合ったアイデアを使ってください。
アイデアもないし時間もない。
アイデアもないし時間もないのは、一番困ったケースですね。そんな時は、ネット印刷のサイトをチェックしてください。ネット印刷では、いろいろなオプションを準備していますから、予算に応じた素敵なデザインを用意して、年賀状を作ってくれます。そして出来上がった年賀状が届いたら、この場合にも一言手書きの言葉を入れたり、サインを入れると、ずっと素敵な年賀状になります。
年賀状が人と人との懸け橋に
年賀状を書くのが面倒だとか、何のために書くの?ともやもやしている方はいませんか?多忙な年末の時間を使っての年賀状作り。今年から出すのをやめてしまおうか、と思われている方もいるかもしれません。しかし、一枚の年賀状によって救われたり、喜んでくれる方もいるのです。
人生に悩み、つらい日々の中で届いた年賀状で友人の温かい一言コメントに救われた方。震災で音信不通になってしまった友人から届いた年賀状に希望をもらった方。このように年賀状が人と人との懸け橋になってくれることもあるのです。
来年も日本各地で数多くのドラマが年賀状という一枚のハガキによって作られていくことでしょう。
まとめ
いろいろな角度からどうすれば「もらってうれしい年賀状」を書くことができるかを見てきました。「こんな便利な時代だから、メール一つで良いのでは」と言う人もいるかもしれませんが、反対に、こんな便利な時代だからこそ、年賀状くらい、紙に手で書いたアイデアやメッセージを送ることに意味があるのではないでしょうか。受け取った人の心に残る「もらってうれしい年賀状」をぜひ書いてみてください。