平成最後のお正月、干支はイノシシ。ということで、年賀状のネタにも使えそうなイノシシ雑学をご紹介します。京都に狛イノシシの鎮座するイノシシ神社があるって、ご存知ですか? 神の使いの「霊猪」として、境内のいたるところにイノシシ様がいるんです!
足腰の守護神!「イノシシ神社」として愛される京都の護王神社
狛犬ならぬ狛イノシシが鎮座する、京都市上京区烏丸通沿いの護王神社。京都御所の西に位置し、平安京建都にも貢献した奈良時代の公家・和気清麻呂公を祀っています。
なぜ狛イノシシなんでしょう? 調べてみると、和気清麻呂公が刺客に襲われた際、三百頭のイノシシがどこからともなく現れ、身を挺して道案内し、彼を救ったという伝説があるのだとか!
イノシシのありがた~い故事、これだけではありません。和気清麻呂公は、天皇の座を狙っていた怪僧・弓削道鏡の悪だくみを阻止したことで道鏡の恨みをかい、足の腱を切られた(!)うえに大隅国(現在の鹿児島県)へ流刑になってしまいます。清麻呂公が三百頭のイノシシから護ってもらったのは、輿に乗せられて大隅国へ向かう途中のことでした。
イノシシが去った後、不思議なことに清麻呂公の足の痛みは消え、再び自分の足で立って歩くことができるまでに回復。この言い伝えから、護王神社は足腰の守護神として広く崇敬され、サッカー選手やマラソン選手もお参りに訪れているそうですよ。清麻呂公を祀る護王神社では、今も狛イノシシが狛犬の代わりとなって、清麻呂公を護り続けているのですね。
狛イノシシだけじゃない! 境内にはイノシシがいっぱい
神社の境内には、いたるところにイノシシの姿が!
お参りの前に手を洗う、手水舎(てみずしゃ)のお水もイノシシから流れ出ているんですよ。この聖なるイノシシ様(霊猪)の鼻をなでると幸せが訪れると言われています。拝殿にもイノシシをかたどった模様があったり、全国から奉納されたという、ユニークなイノシシコレクションの展示も。亥年のお正月、ぜひ訪れてみたいスポットですね。
明治・昭和の亥年年賀状でも、狛イノシシがモチーフに
上の画像は、昭和10年(1935年)の亥年に出された年賀状。狛イノシシの姿と、御朱印のような「賀正」の文字が格好いいデザインですよね。
護王神社と同じく和気清麻呂公と縁深い、宇佐八幡(宇佐神宮)の名が狛イノシシと一緒に書かれた年賀状も見つけました! それがこちら。↓
各地の名物イノシシを十四も集めたユニークな亥年年賀状は、今から百年以上前の明治44年(1911年)お正月に出されたもの! 「44」は「しし」と読むこともできますから、いの「しし」年がちょうど19「しし」年と重なり、当時は「おめでたい!縁起がいい!」と喜ばれたのだとか。この年賀状は復刻版レトロデザインとして、今年のおたより本舗でも販売中です! 詳しくはコチラ
亥年のお正月には護王神社で「子ども いのしし絵馬コンクール」開催
護王神社では、亥年のお正月に幼児と小学生を対象とした「いのしし絵馬」のコンクールも開催するそうです。対象年齢のお子さんは無料で参加できて、11月30日までに応募された作品はお正月に境内の参集殿(護王会館)に展示される予定。募集の詳細は護王神社の告知チラシをご覧ください!