亥年の干支、イノシシゆかりのおめでたい雑学をご紹介します。年賀状のネタに困った時にもきっと役立ちますよ! このトリビアに関連したおすすめデザインもご案内。
日本に古くから存在♡ハートそっくりな「猪の目」(いのめ)
最近「SNS映えする!」「可愛すぎ♡」と話題になっているお寺が、京都にあるのをご存知ですか? 京都・宇治田原の「正寿院」には、ハートマークみたいな“猪の目(いのめ)窓”があるんです。
猪の目(いのめ)とは、西欧起源のハートマークが日本に入ってくるよりずっと昔から、日本にあった模様。もともとはハートを逆さまにした向きが主流で、「ゐのめ」と表記されていたようです。およそ1400年前から格式の高さを表すために寺社の建築や高貴な人物の武具などに用いられ、その模様には、災いを除いて福を招くという意味が込められているんだとか。
京都・泉涌寺御座所の装飾金具にみられる猪の目文様
一説によると、ゐのめがイノシシの目に似ている、と昔の人が思ったことから「猪の目」という漢字があてられ、この言葉が広まったそう。
つぶらで可愛いイノシシの目、確かに角度によってはハートっぽく見えるかもしれません。目よりもむしろ、鼻の形がハートを逆さまにした形に近いような気もしますが……あなたはどう思いますか??
実のところ「ゐのめ」は、猪の目をモデルに作られた模様というよりも、お釈迦さまに縁のある菩提樹の葉をモチーフに生まれた、という説が有力だそうですよ。なにしろ1400年以上も前のこと、はっきりしたことは分かりませんが……どちらにしても、可愛い伝統文様を今まで残して受け継いでくれた昔の日本人に感謝です♡
正寿院の客殿「則天の間」に設えられた猪の目窓からは、四季折々のお庭の風景を楽しめます。新緑も美しいですが、紅葉や雪景色もハートに映えるでしょうね! 京都を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
明治の亥年年賀状にも、猪の目をモチーフにしたデザインを発見!
福を呼ぶという猪の目のおめでた感もあってか、猪の目の模様は昔の年賀状でも使われていました。レトロ感が素敵な、明治44年(1911年)の猪の目デザインはこちら!
そしてこちらは、明治44年のデザインを一部アレンジして復刻した2019年の年賀状。おたより本舗で「復刻版レトロデザイン」として販売しています♡ 日本伝統のハート文様、ぜひ年賀状に取り入れてみませんか?