目次
年末年始の参拝について、マナーや意味
初詣とはなにか
年末年始の参拝といえば真っ先に「初詣」のことが思い浮かびますが、そもそも初詣にはどのような意味があるのでしょうか。
初詣とは、1年の初めに神社や寺院を参拝し、旧年の感謝を表すとともに、新年の無事と平安を祈願する年中行事です。
似たような言葉として「年越し詣」や「二年参り」という言葉がありますが、これは初詣とほとんど同じ意味合いで、大晦日の深夜0時頃を境に神社や寺院に参拝することを意味します。年を越して詣でることから年越し詣、旧年と新年をまたぐことから二年参りと呼ばれます。
初詣の参拝の仕方とマナーについて
初詣に限らず、お宮参りや合格祈願、商売繁盛祈願などで神社にお参りする機会は多いと思います。
ここでは知らないと恥ずかしい基本的な参拝の流れとマナーについてご紹介します。
•初詣の服装について
初詣の服装というとなにか特別な正装が必要でカッチリしたルールがあると思われがちですが、実は明確な決まりはありません。
ただし、神様の前に参ずるため、男性の場合はジーンズや作業着、女性の場合は過度に肌を露出した服装を避けるのがマナーとされます。
なにより真冬、特に深夜時間帯は気温が下がるので、最低限の服装マナーは守りつつ防寒対策を十分にすることが大切です。
•鳥居をくぐる前とくぐった後
基本的なマナーを意識しつつ身支度を整えたら、続いては鳥居をくぐります。
神社は神様を祀る神聖な場所です。鳥居は神様が住む聖なる領域と人間達が住む俗なる領域を区別する境界の役割を果たしています。したがって、鳥居をくぐる時には神様を敬う気持ちを表すために一礼して入るのがマナーとなります。
この基本的なマナーを守って鳥居をくぐった後、本殿に向かって歩いてきますが、参道の中央は神様の通り道とされているので、参道の中央を歩かずその端を歩くようにしましょう。
•参拝前に身を浄める—手水舎の使い方
本殿に向かって歩いていくと必ず手洗い場があります。これは手水舎(ちょうずや)と呼ばれ、神前に立つ前に身も心(魂)も清浄な状態になるための場所です。手水舎の水盤にしばしば「洗心」と書いてあるのはまさにそのような意味なのです。
そしてこの参拝前に身を浄める方法についていも一連の基本的な流れがあるのでしっかりおさえておきましょう。
1.まず右手に柄杓(ひしゃく)を持ち、左手を洗い浄めます。
2.柄杓を左手に持ち替えて右手を浄めます。
3.再び持ち替えて柄杓を右手に持ち、左の手のひらで水を受けて口をすすぎます。この時、柄杓に直接口を付けて口をすすぐことがないように注意しましょう。
4.左手を浄めます。
5.最後に柄杓を縦にして、自分が持った柄の部分に水がかかるように洗って柄杓を元の場所に戻します。柄杓は伏せておきます。
お賽銭とおみくじについて
初詣でも日頃のお参りでもお賽銭やおみくじを経験したことのある人も多いはず。しかしそれらの意味について明確に理解してる人は多くはないのではないでしょうか。
ここではお賽銭やおみくじについての意味を確認しましょう。
まずお賽銭についてですが、これはしばしば誤解されているように「願い事を叶えてもらうためにお賽銭を投げる」というわけではありません。
お賽銭は、本来神様に日頃の祈願成就を感謝して行うものです。つまり、これから願い事を叶えてもらうためのお賽銭ではなく、これまで叶えてくれた願い事に対する感謝としてお賽銭を投げるのです。
またおみくじについては、今後の吉凶を見て一喜一憂する人がほとんどでしょうが、おみくじの機能は吉凶判断のためではなく、そこに書かれた内容を今後の生活の指針にするためのものです。
おみくじに書かれている内容を真摯に受け止め、内容を理解し、その教えをもとに生活を律すれば必ず吉兆が訪れる、というわけです。その意味でおみくじは変えられない予言ではなく、変えることのできる戒めなのです。
年賀状って1月2日も送られてくるの?来ないの?
昨今のメールやSNS等の情報メディアの普及にともない、特に若年層を中心に年賀状を送る人の数は年々少なくなっています。そして、その影響は年賀状の配達にも変化をもたらしました。
主に年賀状が届くタイミングは1月1日ですが、1月2日にも数こそ少ないものの年賀状の配達は行われていました。
しかし日本郵便では、2017年以降、1月2日の年賀状配達を取りやめています。その要因としては、年賀状を書く人が少なくなり、ピーク時の平成10年と比べて約40%配達枚数が減少していること。
そのため、1月2日の配達にかかる約10億円の配達コストに採算を見いだすことが困難になったと言われています。
2017年以降は、1月1日に届かない場合は1月3日以降に順次配達という形になりました。
三が日の過ごし方
そもそもお正月とはなんでしょうか。
正式な意味として、その年の豊穣を司る歳神様を家にお迎えしてお祝いすることを言います。つまり、お正月はその一年の幸せや健康を祈願する行事でもあると言えるでしょう。
では、いわゆる「お正月」といえばどの期間を指すのかといえば、昔は1月全体のことを意味していました。
現在では1月1日〜1月3日までの「三が日」、または1月1日〜1月7日までの(地方によっては1月15日まで)「松の内」を指すことが一般的です。
縁起の良いお正月の過ごし方については、おせち料理を食べたり、書き初めをしたりといったことなどがオーソドックスですが、これらの習慣にはどのような意味があるのでしょうか。
順番にご紹介していきましょう。
縁起の良いおせち料理を食べる
まずおせち料理については、元々は季節の変わり目である「節」に、歳神様へのお供え物をする「御節供料理」がそのルーツとされています。
神様へ料理をお供えすることで、五穀豊穣、子孫繁栄、家族の安全と健康を願う料理として長く食されてきました。
また、黒豆や数の子、かまぼこなどの具材についても、それぞれが縁起の良い意味を担っています。
お正月におせち料理を食べることが縁起が良いとされているのは、このような意味があるからです。
書き初めでその年の縁起担ぎをする
書き初めは、1月2日に初めて毛筆で文字や絵を書くことです。
もともと宮中の一部の文人の行事から始まったとされています。江戸時代に入ると寺子屋の普及などにより一般の庶民にもこの習慣が広まり、明治時代の学校教育で習字が必修になると書き初めの習慣が定着したと言われています。
正月の2日目は古来から「仕事始めの日」とされ、この日にその年の豊富や目標を書くことで、一年が上手くいくように願うという意味合いが込められています。
「何事も初めが肝心」とはよく言われますが、その年の縁起担ぎをするという意味で、書き初めはお正月の過ごし方として理想的と言えそうです。
お正月の小道具に込められた意味
また、なじみ深いお正月の小道具の一つ一つにもちゃんと意味があります。
例えば門松は、門前に据えることでその年の歳神様が下界に降りてくる時の目印になるとともに、そこに神様が宿る場所と考えられています。そのため門松は、その年の福を招くと言う意味で縁起が良いとされています。
また、鏡餅はその年の繁栄を祈願して歳神様にお供えするものとされていますが、なぜ“鏡”餅なのでしょうか。これはお餅を、古代に神事や祭祀で使われた青銅製の丸い鏡に見立てたことからきています。
そして鏡は神様が宿る場所と考えられていたため、鏡開きの日にお餅を割って食べるのは、そこに宿った神様の力を分け与えられることを意味しています。
普段何気なくしているお正月特有の行事ごとも、縁起の良い年にするために、きちんと行いたいものですね。
お年玉に込められた意味は?
さて、最後に子供達にとって嬉しいお正月のイベントであるお年玉についてご紹介します。
「お年玉」という習慣は、もともと歳神様に奉納されたお餅を参拝者に分け与えた昔の神事からきているとされています。
かつてはお餅は「魂」の象徴ともされており、お年玉とは、歳神様の魂を分け与えてもらうことでその年の無病息災を祈願するものでした。
魂は「玉」と表現されることもあり、そこから歳神様の「玉」に尊敬語の「御」がついて「お年玉」(または「お年魂」)と呼ばれるようになりました。
なお、現代の様に、お餅ではなくお金になったのは、江戸時代以降、主に商家でお正月に使用人にお小遣いを与えたことが始まりであるという説が一般的です。
このようなお年玉という言葉の意味のルーツを見ると、毎年あげたりもらったりするお年玉により一層ありがたみを感じます。
お年玉の渡し方やお金の入れ方にもマナーがあります。
まず渡す相手ですが、お年玉を渡すのは一般的に親戚や親しい間柄の人のみです。上司の子供などにお年玉を渡すのはマナー違反となりますので、その際は玩具料や文具料として商品券などを渡すのが良いでしょう。
渡し方ですが、手持ちの封筒が無いからといってお金を裸のまま渡すのはマナー違反です。急な場合はティッシュや紙などでもいいので、なにかに包んで渡しましょう。
まとめ
ここまでお正月の行事や習慣についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
昔から続くお正月の習わしについては、それがいかに些細なものであってもちゃんとした意味を持っていることが分かります。
次のお正月にはこれらの縁起の良い意味について想いを寄せてみるといつもと違ったお正月に感じるかもしれません。
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