丑年の動物「牛」は、農耕作業や物資運搬の労働力として、古くから人間の生活に欠かせない身近な動物でした。この牛が干支の動物になったのにはどんな意味があるのでしょうか。今回は丑年の意味と丑年生まれの人の性格について調べてみました。
そもそも十二支に動物が使われているのはなぜ?
そもそも、なぜ十二支に動物が使われているのかご存知でしょうか。
十二支が生まれたのは中国の「殷」の時代。もともと日付や時刻、方角を表すために使われていましたが、干支の漢字(子丑寅…)は特に意味を持たない記号のようなもので一般の民衆には覚えにくかったそう。
そこで、人々が覚えやすいようにと後漢の時代に中国の王充(おういつ)という人物が十二支に身近な動物を割り当てて文献を書きました。これが十二支に動物が使われた始まりと言われています。干支の漢字(子丑寅…)と動物の漢字(鼠牛虎…)がかなり違うのは後から割り振られたことが理由です。
ちなみに十二支は日本以外の国にもあります。動物の種類や順番はほぼ同じですが、タイやベトナムは卯の兎の代わりに猫が入っていたり、中国では亥(イノシシ)の代わりに豚が入っていたりと、国によって割り当てられている動物に微妙に違いがあるようです。
丑年の意味や由来とは?
丑年の意味や由来について解説しましょう。
【知りたい!】丑年(牛)の意味は?
牛は昔から食料としてだけでなく、農作業や物を運ぶときの労働力として、人間の生活に欠かせない動物でした。勤勉によく働く姿が「誠実さ」を象徴し、身近にいる縁起の良い動物として十二支に加えられたようです。また「紐」という漢字に「丑」の字が使われおり、「結ぶ」や「つかむ」などの意味を込めたとも考えられています。
■牛は神様?
学問の神様の菅原道真をまつる天満宮には丑(牛)の像が置かれています。なぜ牛なのか、不思議ですよね。これは「菅原道真が丑年だった」「道真が暗殺されそうになったところを飼い牛が救った」「道真の遺体を運んでいるときに牛が座り込んで動かなくなったのでそこに埋葬した(その場所が大宰府天満宮)」など、牛と道真にまつわる様々ないわれから。また黙々と働く牛の様子は道真の教えにも通ずるものがあり、牛を神の使いとして祀っているそうです。大宰府天満宮や京都の北野天神にはいくつか牛の像がありますが、そのどの牛も座り込んだ姿をしています。また、仏教が生まれたインドでは牛は神様として大切にされています。牛には神に近い尊いイメージがあるようです。
【知りたい!】丑年が2番目なのはなぜ?
丑年の順番がなぜ2番目なのか、については、十二支についてよく知られている物語がありますね。
昔、神様が元旦に挨拶に来た12番目までの動物を順番に、一年間その年のリーダーにしよう、というお触れを出します。
牛は自分が歩くのが遅いことを知っていたので誰よりも早く、前の晩のまだ暗いうちに出発するのですが、牛の背中に乗ってやってきたねずみが神様の御殿の門が開いたとたんに飛び降り1番に。残念ながら牛は2番となり、干支の順番は2番目になりました。
動物の性格を上手く捉えた面白い物語ですが、この物語は後から作られたものとも言われていますので、順番には動物の優劣や特別な意味はないと考えたほうがよいようです。ちなみに他の国にもこの干支の物語は伝わっており、「ねずみが牛の背中に乗って行った」という話はほとんどの国で共通しているようです。
【知りたい!】丑年はどんな年になる?
十二支の動物の中で最も動きが緩慢で歩みの遅い丑(牛)の年は、先を急がず一歩一歩着実に物事を進めることが大切な年と言われています。
十二支の2番目の干支であることから、子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期とされ、まだ結果を求める時期ではなく、結果につながる道をコツコツと作っていく基礎を積み上げていく時期とされます。
丑(牛)の年は、黙々と目の前の自分の仕事をこなすことが将来の成功につながる、と考えるとよいようです。
丑年生まれはマイペース!?丑年生まれの性格
牛のゆったりとした動きのイメージから、丑年生まれの人の性格は「気長でマイペース」と言われることが多いようです。ところが、そんな穏やかで温厚そうな性格ながら、怒ると怖い、強情でプライドが高いという一面もあるようです。
【知りたい!】丑年生まれの人はどんな人?
丑年生まれの人の性格をもう少し詳しくみていきましょう。
・忍耐強い
丑年の人の一番の特徴は、その忍耐強さ。一つのことをコツコツと続けてその道を極めます。
・マイペース
丑年生まれの人は頭でじっくり物事を考え、綿密に計画を立ててから行動する慎重派。そのためスロースターターで、周囲のペースと合いにくく、マイペースと思われてしまうようです。
ただ一度何かやると決めたら黙々とその道を進み、誰よりも成果を上げます。周囲に惑わされず、自分のペースを守ることで無駄なエネルギーを使わずに自分の目標に突き進むことができるのです。丑年生まれの人は自分をよく知っている人とも言えます。
・怒ると怖い
穏やかでおっとりとした雰囲気を持つ人が多い丑年生まれですが、強情な一面もあり、一度怒らせると手がつけられないほど怖い、とも言われます。これは暴れると手がつけられない野生の牛や水牛のイメージからきているようです。
・頑固
丑年生まれの人は固定観念が強く頑固な一面があります。新しいことに挑戦するよりも今までに経験したことを好む保守的な人も多いようです。
・物怖じしない
おっとりとした牛のイメージどおり、丑年の人は、常に落ちつていて何事にも動じないという長所があります。
・行動力に欠ける
丑年生まれの人は、自分から積極的に行動することが苦手な傾向にあります。新しい挑戦を好まなかったり、自分が納得するまで行動できなかったり、といった性格がいきすぎると、チャンスが巡ってきても逃してしまうことがあります。時には自分から進んで大胆に行動することも大切です。
・プライドが高い
丑年生まれの人はプライドが高く、人に弱みを見せることを嫌がります。困った時に自分から助けを求めたり、人に頼ったりすることが苦手です。また、楽をしたり、ズルをしたりして得することはプライドが許さず、大嫌いです。
丑年生まれと相性のいい干支ベスト3!
気になる相性についてみていきましょう。まずは丑年と相性のいい干支をご紹介します!
① 子(ねずみ)
しっかりと自分を持っていて人と合わせることをしない子年は、自分のペースを大切にする丑年のよき理解者。頑固な丑年を機転のきく子年がフォローし、協力し合えるとても良い相性です。
② 巳(へび)
じっくりコツコツと努力する巳年と丑年は性格が似ているので、理解し合える良い相性です。
③ 酉(とり)
社交的な一面のある酉年が、引っ込み思案な丑年をフォローします。論理的な丑年と直感的な酉年は、お互いに持っていないものを補え合える良い相性です。
丑年生まれと相性の良くない干支ワースト3!
相性の良くない干支についても知っておきましょう。相手の性格を知って嫌がることはしないように気を付けることで衝突を避けられますね。
① 未(ひつじ)
自分のペースを守りたい丑年と、集団行動を好み周囲の状況をうかがう未年は性格が異なります。おまけに、どちらも頑固なのでお互い自分の意見を譲れず、理解し合えません。
② 午(うま)
慎重派の丑年はアクティブな午年に苦手意識を持ちます。何事も成果が出るまで粘り強くやり抜く丑年と、短期決戦で事をなす午年は性格が真逆で上手くいきません。
③ 辰(たつ)
世間の常識にとらわれない独自の理想を持つ辰年と、保守的で現実的な丑年は理解し合うのが難しい相性です。
まとめ
丑年の意味や、丑年生まれの人の性格について探ってみました。いかがでしたでしょうか。丑年生まれの方は当てはまる性格はあったでしょうか。身近に丑年生まれの人がいる方は、丑年生まれの人の特徴を知ってコミュニケーションに活かしてください。