新年になると必ず「干支(えと)」が話題になりますね。2023年は卯年です。
ここでは干支の由来と歴史のほか、卯年生まれの人の性格や相性の良い干支などについて解説します。
干支という言葉の由来とその歴史について
十二支と十干とは?
まずは「十二支」と「十干(じっかん)」について解説します。十二支とは、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の十二の動物(十二支獣)の総称です。
十二支がいつ頃からできたかには定説がありません。古代中国の殷の時代(紀元前17世紀頃〜紀元前11世紀)の遺跡から発掘された甲骨文に、十二支と十干を組み合わせた六十干支表が確認されており、その頃には暦を測定する日付管理ツールとして使われていたようです。
十干とは、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)の十の要素から成り、十二支と組み合わされることで暦を測定します。
これらの十干と十二支のそれぞれ「干」と「支」の言葉を組み合わせて「干支」と呼びますが、これは後の時代の陰陽五行説の思想に影響を受けたとも言われています。十干と十二支においても陽(兄/え)と陰(弟/と)が定めらており、十干と十二支は、それぞれ陽干と陰干、陽支と陰支の4つのカテゴリーに分類されます。
日本では西暦553年頃に、当時の朝鮮半島南部の百済を経由してこの中国暦(太陰太陽歴)が伝来したと『日本書紀』に記されています。なお、十二支に動物の名前がついているのは、古代中国において、文字が読めない人にも分かりやすく暦を伝えるためであったとされています。
卯年は景気が良くなる?
株式相場では、【辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる。】という格言があります。卯年については兎は跳ねる特徴があるため、景気が上向いたり、回復すると言われています。そのため、株式市場にとっては相性の良い年回りとして知られているようです。
卯年生まれってどんな人?性格や特徴は?
今回のテーマである卯年の性格心理学について話を移しましょう。
干支から見た性格診断については占い的な要素が強く、科学的な根拠は無いとされていますが、十二支に対応する形で基本的な性格や特徴が分類されています。ここでは、卯年の基本的な性格や特徴から、仕事運と恋愛運、健康運についてご紹介します。
基本的な性格と特徴
卯年生まれの人の基本的な性格としてよく取り上げられるのが、もの静かで行儀がよく、上品で繊細なところです。一般的に静かで落ち着いた生活を好む傾向があります。
対人関係においては、争いごとを好まない平和主義者なので、周りの意見を上手く調停する聞き上手な人が多く、年上の人に可愛がってもらえる愛嬌があります。
しかしその反面、自分のことを誰よりも一番大事にし、自分に危険が生じることを避ける傾向があるので、良くも悪くも保身的と言えます。表面的には親身になって人の相談や悩み事は聞きますが、その責任はとりたくないという一面もあります。
また、もの静かで繊細な特徴は、ともすれば自分の殻に閉じこもりがちで内向的な面もあり、精神的に傷つきやすいという脆さも持っています。ですので、表面的には器用に人付き合いをこなしますが、自身の傷つきやすさや繊細さから他人と深く付き合うことを避ける傾向もあると言えるでしょう。
仕事運
卯年の人は一般的に強運の持ち主とも言われ、商才に長け交渉上手なため若くしてビジネスで成功する人も少なくありません。社交性豊かな性格からあらゆる分野で活躍できますが、中でも教師や医師など人から慕われる職種が向いていると言われています。また、繊細で独特な感性を持っているので、作家やデザイナーなどのクリエイティブ系の職種でも活躍できるでしょう。
ただし、卯年の人は人の意見に流されやすく、また感化されやすい優柔不断で飽きっぽい一面もあります。色々な分野に手を出して中途半端に終わる傾向があるので、意識的に注意すると成功するでしょう。
恋愛運
社交性豊かで繊細な感性を持っていることは恋愛においても役立ちます。卯年の人は献身的で恋愛パートナーに対して尽くすタイプ。争いごとを避けるため平和で友好的な関係を維持することができます。男女ともに外見や年齢などの表面的なところではなく、お互いを理解し尊重できたり、価値観を共有できるパートナーを理想とする人が多いようです。
ただし、恋愛においても優柔不断な性格が災いになる可能性があるので、一時の過ちで関係を壊してしまうことがないように気をつけましょう。
健康運
卯年の人は、肺病や腰痛に気をつけましょう。喫煙や腰に負担のかかる作業に特に注意する必要があります。
また、繊細な心の持ち主なため、誹謗中傷によって精神的なダメージを負いやすい性質です。些細なことで極度に思い悩んだり、心労から胃が痛くなりやすい傾向があるので注意しましょう。
他の干支との相性について
卯年の基本的な性格は以上の通りとなります。では、卯年とその他の干支とではその相性はどうなのでしょうか。
恋愛面の相性を中心にご紹介していきます。
【子年&卯年】
基本的に両者とも人懐っこい性格のため表面的には仲良くすることができます。ただし、親交が深まるとお互いの嫌な点が見えてきて険悪になる傾向があります。恋愛面については、同性ほど相手の嫌な点が気に障ることがないので、卯年がわがままを言わなければ上手くいくでしょう。
【丑年&卯年】
丑年の沈着冷静で真面目な特徴が卯年の欠点をカバーして、良好な人間関係を築くことができます。一緒にいることで愛情の絆が強まるでしょう。両者が喧嘩した時などは、頑固でどっしりと構える丑年の特徴を考慮して、フットワークの軽い卯年が一歩引けば上手く行きます。
【寅年&卯年】
頼りがいのある寅年には、はっきりしない卯年は刺激を受けることが多そうです。家族や友人関係においても、お互いを高め合える良いパートナーシップを形成することができます。恋愛については、卯年が自分にはない魅力を持つ寅年に一目惚れすることが多く、関係が安定すれば良好な愛情関係で長続きします。
【卯年&卯年】
似た者同士の二人は親密な関係を維持することができます。ただし、両者ともロマンチストで気まぐれ、わがままな性格であるため、恋愛においては相手の性格をしっかり理解して付き合うと上手くいきます。
【辰年&卯年】
辰年の言動の全てが気に入らないと思うことが多く、一般的には相性が良くない二人。辰年に反抗しない様に卯年が引くことでようやく関係を保つことができます。恋愛においても、卯年が一歩引くスタンスで愛情を育むと愛情が育ちやすく長続きするでしょう。
【巳年&卯年】
以心伝心の良い相性。ただし、巳年は生来的に嫉妬深い正確なので、卯年の優柔不断で曖昧な態度がもとでトラブルに陥ることも。巳年の人に対しては特に誠実に対応するのが吉となります。
【午年&卯年】
普段は仲が良く相性も問題ありませんが、一度仲違いをしてしまうと関係修復が困難と言われています。恋愛関係においてはお互い浮気性の傾向があるので注意して関係を育まないと長続きするのは難しいです。
【未年&卯年】
卯年との相性において最も良いとされるのが未年です。同性でも異性でも意気投合できる間柄です。恋愛面においても申し分のない相性で、一緒にいるだけで幸せを感じることができます。
【申年&卯年】
互いの基本的な性格は異なりますが、良い関係をキープすることができます。ただし申年の言動に卯年が傷つくこともあるので、申年の人が卯年に優しくすることで関係を長続きさせることができます。
【酉年&卯年】
同性同士であればお互いを無意識的にライバル視する傾向がありますが、異性との関係であれば、卯年が酉年を褒めて引き立ててあげることで関係を良くしていくことができます。
【戌年&卯年】
心が通じ合える関係で良い相性と言えます。戌年は一般的に愛情深く、包容力のある性格なので、卯年を暖かく包み込み、支えてあげることで良好な愛情関係を保つことができます。
【亥年&卯年】
お互い信頼し合える関係で居心地の良い関係性をキープすることができます。亥年は恋愛が不器用な干支とされていますが、お互いに引かれ合い、気をかけることができる最高の相性と言えます。
いかがでしたでしょうか。簡単にまとめると卯年と特に相性の良い干支は未年や亥年。相性があまり良くないのが辰年とされています。
もちろん干支だけでは人の相性は測れませんので、ひとつの目安として参考にしてみてください。
猫年?海外での十二支について
最後に簡単に、海外の干支事情についてお伝えします。十二支は実は中国や日本だけのものだけではなく、東欧やロシアでも使われています。先にお伝えした通り、干支の発祥地は古代中国にあります。朝鮮半島を経由して日本に持ち込まれた一方で、シルクロードを経由して東欧にまで持ち込まれたとされています。
興味深いのは十二支となっている動物が国によって違うことです。例えば、日本の十二支の最後「亥」は、日本以外の国では「豚」のことを意味しています。これは中国では「猪」という文字は元来「豚」を意味するものですが、干支伝来時の日本には豚を食べる習慣がなく馴染みのないことから、「猪」をあてたのではないかと言われています。
また今回のテーマ「卯年」は、チベットやタイ、ベトナムでは「猫」に置き換わっています。これには諸説ありますが、猫の方が親しみがあったとか、発音が似ていたためと言われています。日本でいう卯年に、これらの国に行くと猫のグッズや土産物が多く並ぶそうです。猫好きの方には興味深い情報ですね。
まとめ
さて、ここまで普段何気なく使っている干支という言葉の意味を紐解きながら、卯年の基本的な性格や特徴、相性などについて徹底解説してきました。
人の性格を分析する方法は様々ですが、古来から使われている干支という視点から分析をしてみるのも面白いですね。
今回は卯年を中心にご紹介しましたが、この記事をご覧になっている方とその身近な人の干支はいかがでしょうか。興味を持って調べてみると自分に対する見方、人に対する見方も少し変わるかもしれませんね。
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