世界にひとつ、オリジナルの年賀状を自分で作るのは楽しいけれど大変なことですよね。「イラストか写真か」「文字は手書きか印刷か」など、考えることがいっぱい! そこで、自分だけの年賀状作りに役立つ素材の探し方から上手な使い方まで紹介します。
「オリジナル年賀状」作りで越えられないハードル
近年はシーズンになると来年の干支素材を集めた、CD(DVD)付きの雑誌や書籍が販売され、年賀状作りもずいぶん楽になっています。パソコンの基本操作さえできれば、収録素材を組み合わせることで、誰でも見栄えのよい年賀状を作れます。ただ、雑誌や書籍は購買者も多いせいか、「物足りなく感じたり、誰かとデザインがかぶらないか不安」といった声も多く、利用には二の足を踏む人もいるようです。
だからといって、誰もがイラストを描いたり、写真を撮れるわけでもありません。すべて自分のオリジナル年賀状というのは、やはりハードルが高いといっていいでしょう。絵や写真には自信がないけど、オリジナルにこだわりたい方におすすめなのが、WEBサイトのフリー素材です。
オリジナル年賀状作りの強い味方「フリー素材」
「年賀状用フリー素材」の大きな利点は、イラストはもちろん、写真、テンプレート、賀詞など、年賀状に関するアイテムがいろいろ揃っているということです。それぞれのアイテムに特化したところもあれば、ひとつのサイトに、すべての素材が包括されているところもあるのでとても便利です。
〇年賀状用フリー素材の主なメリット
- 基本的に無料で利用できる(商用不可のところが多い)
- その年の干支だけでなく、松竹梅といった縁起物やお正月用品など多彩な素材がある
- 簡単なパソコン操作ができれば、手軽に利用できる
- 個人利用であれば、ほとんどの素材が加工可能
- 賀詞もあるので、使い方によっては手書きも不要
- 数多くのサイトがあるので、組み合わせは無限
〇年賀状用フリー素材で考えらえるデメリット
- 会員登録(基本的に無料)の必要なサイトがある
- 自分の使ったイラスト(写真、テンプレート他)を、送付先相手も利用している可能性がある
- レベルの高いものもあれば低いものもあり、素材の質がバラバラ
- 「色変更不可」などの加工制限がある
- 数多いサイトがヒットするので、取捨選択が難しい
フリー素材でいちばん気を付けたいのが、他人とのネタの重複です。これを避けるためには、使い方を工夫する必要があります。
フリー素材を個性的に使うワンポイント・アイディア
フリー素材でオリジナリティを出すには、「イラストや写真をそのまま使わない」ことが大切です。その主なアイディアを紹介しましょう。
〇年賀状用フリー素材の上手な使い方
- イラスト(写真)、文字、背景を同じテイストで使用しない
「可愛い絵柄+ハードな絵柄」「筆文字+機械的なイラスト」など、あえてミスマッチさせる、統一感を持たせないようにすると、個性的なデザインになります。
- 素材を部分的に活用する
イラスト、写真をはじめ、テンプレート、スタンプ、背景などを年賀状の一部に活用することで、オリジナリティが期待できます。
- 素材の大きさを変える
加工可能な場合、素材の大きさを変えたり、文字を変形させると、同じ素材を使っても自分らしさが出ます。
- 和と洋を大胆にミックスする
和風は和風、洋風は洋風ではなく、たとえば和風のイラストを洋風の賀詞や背景で用いると、独自の雰囲気が出ます。
- 外国語を賀詞にしてみる
友人、同僚など、気の置けない相手への年賀状の場合、英語をはじめ、外国語の賀詞を使うとデザイン的にもオリジナリティが出ます。
- イラストを地紋に使う
イラストをそのまま使うのではなく、透過率をあげて地紋や背景として利用。文字を生かした年賀状にするのもおすすめです。
- 自分のハンコを作る
かつて浮世絵師らが利用し、現在も書道作品や日本画などに押される、サイン代わりの判子「落款印」「篆刻印」(遊印とも呼ばれる)を作って押すと、自分の個性が出ます。落款風ハンコを無料で制作できるサイトもあります。
オリジナル年賀状を作るには、「これはダメ」と思わないで、いろいろな素材を組み合わせるのがおすすめです(ただし、あまりに遊びを取りいれたものは、目上・格上の相手には送らない方が無難でしょう)。
ちょっとこだわりたいときは「有料素材」がおすすめ
フリー素材はプロからアマチュアまで玉石混交のケースがあるため、検索したサイトによって、どうしてもレベル差が生じます。そのため、「とにかくクオリティの高い素材が欲しい」と考えているのであれば、「有料素材」サイトを利用するほうがいいでしょう。
有料系素材の使用料は、一枚単位、定額制ほか、サイトによって変わります。そのため、使いたい枚数によってコースを選ぶとよいでしょう。
おすすめ年賀状イラスト&写真サイト
オリジナル年賀状を作る際、強い味方となるのがイラスト&写真などの素材サイトです。無料で利用できるにもかかわらず、さまざまな絵柄のカット、種類豊富な写真、個性的なフォントを揃えているところも少なくありません。フォーマルからカジュアルまで、オリジナル年賀状に役立つおすすめサイトを紹介しましょう。
☆年賀状の本家 ゆうびん.jp「はがきクイックサーチ」
「ゆうびん.jp」は、年賀状の本家本元「日本郵便(株)」のサイト。はがきや手紙・ギフトを贈る、郵便をもっと手軽に楽しんでもらうことを目的に様ざまなサポートを行っており、メッセージカードを作るための素材やアイディアを集めたページもあります。
結婚や出産・引っ越しの挨拶、入学・卒業祝いといったご挨拶や記念日はもちろん、年賀状シーズンには特設サイトを開設。来年の干支にちなんだイラスト、フレーム、賀詞、またおめでたいカットなどのコンテンツがたくさん揃います。また「手作り風はんこ作成ツール」「手作り風毛筆ツール」(通常時も使用可能)も用意。前者では、自分の住所はんこや吹き出し風賀詞などを手軽に作ることができます。特に会員登録しなくても利用可能です。
「はがきクイックサーチ」(アニメなどの版権物以外は基本的に無料)
https://yu-bin.jp/search/
☆日本最大級の素材サイト「イラストAC」
無料イラストや素材が数多く揃う、日本最大級のサイト。さまざまなテーマのイラストに加え、はがきやカードに仕えるフレーム類も種類豊富です。また、営利目的で作成される商業印刷物やホームページにも無料で利用することができ、加工(切り抜きや色変更)も可能となっています。
利用するには会員登録が必要(SNSアカウントで登録・ログインも可)。ただし無料会員の場合、素材検索の回数は「5回まで」などの制約があるため、これを解除するにはプレミアム会員(有料)への登録が必要です。
なお「イラストAC」は、年賀状に特化した姉妹サイト「年賀状AC」も開設しています。こちらは年賀状素材が、「イラストAC」同様すべて無料で利用できます(商用利用可)。また他にも「写真AC」「シルエットAC」「地図AC」といったサイトも展開しているため、さまざまな素材を組み合わせた自分だけの年賀状が作れます。
https://www.ac-illust.com/
☆可愛いイラストならおまかせ「イラスト わんパグ」
うさぎ、犬、クマを中心に、可愛いイラストがたくさんの無料イラストサイトです。年賀状の干支はもちろん、結婚・出産報告、引っ越しの挨拶、入学・卒業祝いなどのグリーティングにも最適なカットを多数用意しています。野球やサッカーといったスポーツをしている動物たちも人気。商用にかんしては、「WEBやホームページ・ブログ素材」ほか、WEB素材としての使用は可能です(リンクが前提)。年末には、来年の干支イラストやはがきフレームを特集した「年賀状わんパグ」を開設する予定。
http://www.wanpug.com/
☆1枚から購入できる、年賀状向けの手軽な有料サイト「PIXTA(ピクスタ)」
有料素材を1点から手軽に購入できるのが「PIXTA(ピクスタ)」です。画像&動画数は2,050万点以上。ただし、購入には会員登録(無料)が必要になります。多くの素材を使いたい場合は定額制プランもあり(画像:10点/30日、6,380円/月~)。なお、一度購入した素材は、さまざまな用途に何度でも使用できるロイヤリティフリー(RF)形式。利用規約の範囲内であれば加工も可能です。年賀状用には「年賀状素材」のコーナーが設けられ、数多くのイラストやパーツ、年賀状テンプレートなどが揃います。
https://pixta.jp/
・まとめ~フリー素材で、自分の感性を自由に駆使した年賀状を
年賀状といえば、「賀詞はこれ、イラストは干支や縁起もの、写真は家族」と思い込んでいませんか?目上の方や取引先相手への年賀状なら、確かに定番が無難だといえます。しかし、友人、同僚といった親しい相手であれば、少し遊び心のある、オリジナル年賀状であっても喜んでもらえることでしょう。
自分らしさを出すには様ざまな素材を見て、そこからイメージに合ったものを選び、きまりに縛られず自由に使ってみることです。間違っても簡単にやり直せるのが、パソコン作成最大の利点。納得がいくまで、素材を組み合わせていきましょう。
「絵が下手、写真も苦手」「センスがないから」と足踏みせずに、今年こそ、世界に一つだけのオリジナル年賀状作ってみてはいかがですか。