「年賀状で結婚報告をしよう」と考えているアナタ!年賀状で結婚報告をする際のマナーや書き方等、詳しくご存じですか?
実際、結婚報告が入っている年賀状も多く見かけますが、そもそも結婚報告を年賀状で済ませてしまってもよいのでしょうか?
意外と知らない年賀状と結婚報告についての気になるギモンを徹底検証!新婚早々「礼儀知らずな人」などという嬉しくないレッテルを貼られないよう、正しいマナーを身につけておきましょう。
そもそも「結婚報告」は年賀状で済ませてもOKなの?
まずは知っておきたい「年賀状」の基本的な考え方
毎年やり取りする年賀状ですが、そもそも「年賀状」とはどのようなものなのでしょう?
年賀状は、公的な文書ではなく個人間で送りあう私的な書簡なので、規則や決まった形式などはもちろんありません。つまり年賀状の内容は原則として自由です。
しかし、自由だからと言って何でもかんでも書いてよいというものでもありませんね。年賀状を書く上で押さえておきたいのは、年賀状がどのような役割をもつのかという点です。
ご存知の通り、年賀状はお正月に届ける挨拶状です。大抵の人にとって、お正月は一年のなかでも特別な日であり、家族や親戚、親しい人たちなどとともに厳かな気持ちで過ごす一日となります。
そんな大切な日に届く挨拶状ですから、受け取る人の立場や気持ちを十分に考えた内容にすべきですね。
- 旧年中お世話になったことへの感謝
- 相手にとって新しい年が素晴らしい年となることや、相手の幸せや健康を願う
他のことはともかくとしても、上記2点の内容は少なくとも入れておくべきでしょう。このポイントをおさえたうえで、結婚報告の入れ方を考えていけばよいのです。
年賀状で結婚報告をするのはOK?NG?~押さえておきたいマナーとは?~
結論からいえば、年賀状で結婚報告をするのはOKです。しかし、マナーや礼儀などを欠いてしまうと当然NGになります。では、どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか?
まずは「結婚した時期」で考えましょう。基本的に結婚報告は、結婚してから1カ月~3カ月以内に出すのが目安と言われています。
つまり、前年の後期(9月~12月)に挙式した場合、あるいは入籍した場合は年賀状に結婚報告を入れても不自然ではなく、マナー的にもOKとなります。
逆に前年の前期~中期(1月~8月)に挙式や入籍をした場合は、結婚報告は先にしておくべきで、年賀状と一緒にしてしまうと、相手に「あれっ?そんな前のことを今さら書いてくるの……?」と思われてしまう可能性が高くなります。
つぎに「結婚報告の仕方(書き方)」です。前の章でも少し触れましたが、年賀状は相手への感謝や新年の幸せを願う年頭の挨拶状です。
普段あまり連絡を取っていない相手に対しては、自分の近況報告を少し添えることは構いませんが、自分のことばかり書き連ねるのは年賀状の礼儀に反しているといえます。
「私の新年の抱負は……」などということがダラダラと書かれている年賀状は、学生が先生に宛てる場合、あるいは若い部下が直属の上司に宛てる場合などを除けば、かなり自己中心的な年賀状という印象になってしまいます。
結婚報告については、出す相手にもよりますが、あくまでもサラッと近況報告程度に書くのがスマートといえそうです。
身内に不幸があった場合はどうなるの?
当然のことではありますが、喪中はがきで結婚報告をするのは絶対NGです。一般的に身内に不幸があって喪に服す期間は約1年間とされています。
こちらが喪中であるということと、それに伴い年頭のご挨拶をお断りするために喪中はがきを出します。
喪中はがきの文面はシンプルなものが良いとされており、もちろん結婚のような慶事について触れることはタブーとなります。喪中はお祝い事や派手な祝賀パーティーなどは慎むべきとされています。
しかし、すでに結婚式の決まっているなかで不幸が起こってしまったというようなケースや、結婚後に不幸が起こってしまうという事態もありえます。
このような場合は、喪中はがきを出したうえで、松の内(1月1日~7日)が明けてから立春までに届くように出す「寒中見舞い」などに結婚報告を入れるのがおすすめです。
【実践編】スマートな結婚報告の仕方(書き方)AtoZ
文面作りは「グループ分け」からはじめる!
結婚報告入りの年賀状を作成する際は、出す相手によって文面や入れる写真を変えて作るのが一般的です。具体的なグループ分けの仕方と文例を紹介します。
「結婚式などに出席してもらった」グループ
まずは、一番作りやすい「結婚式などに出席してもらった」相手に対しての作成ポイントと文例です。
結婚式などに出席してもらった相手に対しては、「出席していただいたことへの感謝」を中心に文面を組み立てましょう。
その中で、
①上司や恩師など目上の相手
②同僚や友人、部下など、さほどかしこまらなくても良い相手
③家族(両親・兄弟姉妹)以外の親戚
などに分けて表現や言葉遣いなどを少しずつ使い分けてもいいかもしれません。
また使う画像などは、オーソドックスに新郎新婦のツーショット写真でもOKですし、結婚式を思い出すようなシーン、あるいは実際に相手と写っている写真などがあれば、それを使うのも楽しそうですね。
(文例)
結婚して初めてのお正月を迎えました
昨年は大変お世話になりました
またお忙しい中 私たちの結婚式にご出席くださいまして本当にありがとうございました
皆さまの健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
本年も何卒よろしくお願いいたします
「結婚式などには出席していないが、結婚報告を済ませている」グループ
このグループの文面を作成するうえで注目すべきポイントは「結婚報告を済ませている」という点です。
結婚式などの出欠はともかく、事前に結婚報告をしているということは、お祝いやプレゼントなどを頂いている可能性が高いからです。
お祝いやプレゼントなどを頂いている、あるいはお祝いの意味を込めてお食事に行ったなど、何かしらのことをしていただいたのであれば、直接的ではないにしても感謝の気持ちやこれからのお付き合いに対しての表現を入れておくと良いかもしれません。
このグループの中でも前述のように相手の立場などによって表現や言葉遣いを少しずつ使い分けながら文面を組み立ててみましょう。
(文例)
結婚して初めてのお正月を迎えました
昨年は大変お世話になりました
またお忙しい中 私たちの結婚に際しまして温かくお祝いくださいまして
本当にありがとうございました
皆さまの健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
本年も何卒よろしくお願いいたします
「結婚報告自体をまだ済ませていない」グループ
このグループに入ってくる相手は、立場にかかわらず、日頃からのお付き合いがさほど密ではない人々となります。
普段あまり顔を合わせる機会がなかったり、年賀状だけのお付き合いになっていたりというような相手ですので、軽い近況報告としてサラッと触れる程度でよいでしょう。
あまり構えた内容で報告すると、相手によっては「お祝いをあげなきゃいけないのかしら……」と、かえって気を遣わせてしまうことになるかもしれませんので、注意しましょう。
(文例)
旧年中は大変お世話になりました
私事ではございますが 昨年〇月〇日に結婚いたしました
まだまだ未熟な二人ではございますが 今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます
流行りの「ナシ婚」の場合はどんなカンジにすればよい?
「ナシ婚」とは、結婚式や披露宴・パーティーなどを行わない「入籍のみの結婚」を指します。ナシ婚の場合は、結婚式などに出席してもらっているということはないので、結婚報告を済ませているグループと、そうでないグループに分けて相手の立場などを考慮しながら文面を組み立てていくとよいでしょう。
ナシ婚といっても記念写真だけは撮っているフォトウェディングなどの場合はその写真を使うとよいでしょうし、特に写真などがない場合は、通常の年賀状と同じデザインで作成してもOKです。
(文例)
結婚して初めてのお正月を迎えました
昨年は大変お世話になりました
本年が〇〇様にとって素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます
連名?単独?意外と迷う【差出人の書き方】
結婚後の年賀状作成で独身時代と大きく違うのが差出人欄です。男女問わず、結婚後に苗字が変わった場合は結婚した翌年の年賀状には新しい姓の横に旧姓をカッコ付けなどして記載するのが一般的です。旧姓記載については、特別な理由がない限りこの年の年賀状のみで大丈夫です。
通常の年賀状では、夫婦でもお互いが別々の仕事をしている場合など、それぞれ単独の差出人として出すことも多いですが、結婚報告を兼ねた年賀状なので、特別な理由がない限りは連名で出すのが自然かもしれません。
連名で出す場合は、夫の名前を先に記載するようにするのが一般的です。
【年賀状×結婚報告×マナー】こんなコトも注意しよう!
年賀状で結婚前の報告をするのはOK?NG?
これは、特別な理由がない限り基本的にはNGだといえそうです。当人からしてみれば「えっ?何で?おめでたいことだし、結婚式にも招待するつもりだから、あらかじめ知らせておいたほうがよさそうだし……」と思うかもしれませんが、落ち着いて考えてみると何故NGなのかが分かるでしょう。
この世に「絶対」あるいは「100%」の予定というものは存在しません。年賀状を出す時点では、挙式や入籍をする予定が固まっていて、相手のことを招待することなどが確実であっても、それはあくまでも「予定」でしかないということです。
病気や事故、災害などの不測の事態、あるいは交際破局や破談など、たった数ヶ月の間でも状況が一変してしまうことは十分にあり得ます。
また、挙式自体は執り行うとしても予算や規模など具体的な事が決まってきた段階で招待客についても見直しを余儀なくされる可能性も高く、呼ぶつもりだった人を外さざるを得ないということも考えられます。
このような事態に陥ってしまった場合、あらかじめ年賀状などで結婚することを予告してしまうと、事の経緯をいちいち説明したり、場合によっては相手に謝罪しなければいけなくなってしまったり…と、後々非常に面倒なことになります。
不測の事態や破局などのどうしようもない理由ならまだしも、年賀状などで結婚を予告した相手を様々な事情で結婚式に招待できなくなってしまったりすると、その人との友情やお付き合い自体が断絶してしまうこともあります。
結婚を予告された相手は当然、お祝いやプレゼントのことを考えたり、女性であれば着ていく服を新調したりなどということがあるかもしれません。にもかかわらず、土壇場で「諸事情で招待できなくなってしまって……」などと言われたらどんな気がするでしょう。それを伝えなければいけない方も相当気まずいですが、相手からしてみれば少なからず傷つくでしょうし、腹も立ちます。
そのような不用意さは、あなた自身の信頼を失うことにもなりかねません。
年賀状はもちろん、何事も先々のこと、そして何よりも相手の立場に立って考えることが必要であり、それが大切なマナーなのです。
まとめ
結婚すると年賀状を送る枚数が格段に増えます。これは自分とパートナーの合算というだけではなく、結婚したことによって人とのつながりが広がったということです。
今後多くの人との親交を深めて良い人間関係を築くためにも、きちんとマナーを知って、もらって嬉しい結婚報告入り年賀状を作成しましょう。
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