待望の赤ちゃんの誕生や念願のマイホーム、新居へのお引っ越しは、人生のなかでも大きなイベントです。
そんな一大イベントがあった翌年の年賀状には、自分の近況を華々しく報告したい!と思う人も多いはず。でも、ちょっと待ってください。自分の盛り上がった気持ちをストレートに表現した年賀状って、アリなのでしょうか?
自分たちにとって大切な報告を添える年賀状ですから、出産報告や引っ越し報告をする際の注意ポイントをしっかりとおさえて、スマートな大人のお付き合いができるようにしたいですよね。
では、そのポイントとは何なのでしょうか?出産報告、引っ越し報告に分けてみていきましょう。
目次
年賀状で出産報告をする際はココに注意!
「年賀状×出産報告=ちょっとイタイ人」にならないために……
印刷技術の進歩により写真付きの年賀状がポピュラーになってきた昨今、年賀状のデザインの幅も大きく広がってきました。
写真がメインとなったストレートなものから、個性的なものまで様々です。そんななか、よく見かけるのが出産報告を兼ねた年賀状です。
待望の赤ちゃんの誕生は、家族にとっては大変喜ばしい出来事であり、お披露目もかねて素敵な写真入りの年賀状を作成したいと思うのが親心というものでしょう。出産後初の年賀状では、出産報告をすること自体はOKなのですが、気をつけたいのはその内容です。
年明け早々「イタイ人」という有り難くないレッテルを貼られないために、注意すべきポイントをしっかりとおさえておきましょう。
年賀状の本分を忘れてはいけない!
まずおさえておかなければいけないのは、年賀状がどのようなものであるかというコトです。
多くの人が家族や親戚などとともに厳かな気持ちで過ごす特別な日がお正月。そのような大切な日に届ける挨拶状が年賀状なのです。当然のことながら、受け取る人の気持ちに十分配慮した内容が求められます。
・前年および日頃お世話になっていることへの感謝
・新年のお祝いと、相手の幸せや健康を願う
年賀状を作成する際、上記2点は必ず入れておくべき内容です。これらのポイントをおさえたうえで出産報告の文を考えればよいでしょう。
出産報告はどう書けばよい?
先述のとおり、年賀状のメインはあくまでも「新年の賀詞」です。
赤ちゃん誕生というビッグイベントを大々的に報告したい気持ちはもちろん分かりますが、それが前面に出過ぎた年賀状になってしまうと「イタイ人」路線まっしぐらです。
出産報告の文章は軽くふれる程度のボリュームで十分でしょう。また、出産のお祝いをいただいた方には、そのお礼などをひと言入れるとよいかもしれません。
また年賀状のデザインについても少し気をつけたいポイントが。
赤ちゃんだけのアップ写真を全面に印刷した年賀状をみかけることも多いですが、コレはあまりよい例とはいえません。我が子だからこそ、いくら写真をみても飽きることはありませんが、他人からしてみれば「可愛いけども…」という程度。赤ちゃんの写真はあくまでもデザインの一部にとどめておいたほうがよさそうです。
写真をメインにするのであれば、ハガキの全面などという大きさではなく、常識的な範囲のサイズにしましょう。
また、赤ちゃんの写真だけを入れるのではなく、家族写真も入れておくとよいかもしれません。年賀状を受け取る人は、たいてい赤ちゃんとは初対面なので、パッとみただけでは誰からの年賀状なのか分からなくなってしまいます。
年賀状をやり取りしているのは親のほうですので、自分たちも写っている家族写真などを入れると、それが近況報告の役割をはたして「あぁ、元気そうでよかった」と思ってもらえます。
「赤ちゃん」や「子ども」という話題はとても繊細なものでもあります。人には様々な事情があり、他人の赤ちゃん誕生を手放しで祝福できる状況ではない人がいるのも事実です。
このあたりのこともキチンと配慮して写真入り年賀状のデザインや出産報告の文などを考えましょう。余裕があれば、出す人によってデザインや文章を変えて作成してもよいですね。
(文例① 出産をまだ知らせていない場合)
あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
新しい年が○○さんにとって より良き年となりますよう心よりお祈り申し上げます
我が家では昨年〇月〇日に長女が誕生いたしました
家族が増えてにぎやかなお正月を迎えております
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
(文例② 出産をすでに知らせてあり、お祝いなどをいただいている場合)
あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
新しい年が○○さんにとって より良き年となりますよう心よりお祈り申し上げます
昨年長女が誕生した際には心温まるお祝いを頂戴いたしまして誠にありがとうございました
〇人家族になって初めてのお正月をにぎやかに過ごしております
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
こんなコトにも注意して!
差出人の欄に子どもを連名で記載する場合、子どもの名前にはふりがなを入れましょう。
「キラキラネーム」などと最近話題に上がっていますが、漢字を当て字のようなかたちで読ませる名前も多く、そのままでは読めないことがあります。
年賀状を受け取った側からすれば「この名前はなんと読むのだろう?」と疑問に思ったとしても、わざわざ「どのようにお読みするのでしょう?」とは尋ねにくいものです。
相手を悩ませてしまわないためにも、きちんと読み方を入れておくのがマナーです。親としても、大切な我が子のためにありったけの愛情と願いを込めて考えた名前ですから、ちゃんと正しく覚えてほしいですものね。
年賀状で「妊娠報告」をしてもOKなの?
結論からいえば、年賀状で妊娠報告をするのはよいとはいえません。というのも、妊娠の先にある「出産」があくまでも予定だからです。
医療が発展・進歩している現代では、その数こそ減ったものの、やはり妊娠・出産で母子の命が危険にさらされることがないわけではありません。
待ちに待った妊娠が判明し、その喜びを周囲に伝えたい気持ちはもちろん分かりますが、万が一のことがあった場合それを伝えなければいけなくなるため、自分自身の精神的なダメージが懸念されます。
また、報告をされた側にも出産予定に向けて「お祝いを考えなければいけないかしら」などと気を遣わせてしまうことになるかもしれません。
さらには、女性芸能人などの発言でも話題となった「妊活」ですが、妊娠するためにあらゆる努力をし続けている人や、不妊治療などに取り組んでいる人もいます。これもやはり非常に繊細な事情であり、そのような人に向けて新年早々、自分の妊娠を知らせるのはあまりにも配慮に欠けます。
年賀状は新年のご挨拶状です。
新年の賀詞とともに自身の近況報告をするのが一般的ですから、特別な理由がない限りは、妊娠の段階ではなく、無事に出産してからの報告がよいでしょう。
ごくごく親しい仲の友人などにどうしても伝えたいのであれば、手書きのコメントとして小さく添える程度にするのが無難です。ただし、その場合も上記で解説した通り、万が一のことや相手の事情をきちんと念頭においておきましょう。
年賀状で引っ越しの報告をしたい場合
引っ越し報告のキホン
引っ越しをして住所が変わる際には、日頃お付き合いのある人たちに新住所のお知らせ等をするために「引っ越し報告」を行います。
一般的に引っ越しの報告は、引っ越しをしてからおおむね1ヶ月以内にするべきとされていますが、相手とのお付き合いの度合いによっては、わざわざ引っ越し報告を挨拶状として出すのが仰々しく感じる場合もあります。
その場合は、引っ越しをおこなった時期にもよりますが、年賀状に引っ越しをした旨の文章を添えて報告してもOKとなります。
引っ越し報告の書き方
年賀状で引っ越し報告をする場合も「年賀状の本分」を忘れないというのがポイントとなります。
「新年の挨拶」「旧年中のお付き合いへの感謝」など、本来年賀状で述べるべき内容をきちんとおさえたうえで、近況報告の一環として引っ越しをした旨を書き、くれぐれも引っ越し報告がメインとならないように注意しましょう。
また、差出元の新しい住所の横には「新住所」と記載しておくと分かりやすくなります。
(文例)
あけましておめでとうございます
昨年は大変お世話になりました
新しい年が○○さんにとって素晴らしい一年となりますよう心よりお祈り申し上げます
私事ではございますが昨年○月に引っ越しをいたしまして新居にて家族とともにお正月を迎えております
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ
本年も変わらぬお付き合いのほど何卒よろしくお願い申し上げます
こんな場合は早めに報告を!
まず、引っ越しをした時期が前の年の前半である場合、年賀状で引っ越しを報告するのは少々遅すぎるという印象です。引っ越しが終わり、片付け等が落ち着いたら、なるべく早めに引っ越し報告の挨拶状などを送るようにしましょう。
結婚に伴う引っ越しの場合は、結婚報告の挨拶状のなかで引っ越しや新住所のお知らせをすると手軽に済ませられます。
また、お歳暮のやり取りがある相手には、一般的にお歳暮の発送準備に取り掛かる11月下旬~12月初旬くらいまでには引っ越しをした旨と新住所のお知らせをしておいたほうがよいでしょう。
喪中欠礼状や寒中見舞いにはどのように書けばよい?
覚えておかなければいけないのが、引っ越しが慶事であるということです。こちらから出す喪中欠礼状はもちろんのこと、喪中欠礼状に対して寒中見舞いを出す場合でも内容で慶事について触れるのはNGとなります。
引っ越しをした旨について直接書くのではなく、新しい住所の横に「新住所」を記載しておくことでお知らせする程度にとどめておくのが一般的です。
忘れないで!
引っ越しに伴い忘れてはいけないのが、郵便局への届け出です。
これは旧住所に届く郵便物を1年間に渡って新住所に無料で転送してもらえるサービスとなり、年賀状などでお知らせできなかった範囲の相手には、このサービス期間中に新住所を連絡していけばよいので、とても便利です。
引っ越しの際は、ガス・水道・電気などのライフライン系への連絡とともに、郵便局への届け出も忘れずに行いましょう。
まとめ
年賀状は新年最初に届けるご挨拶状です。受け取った相手が気持ちの良いお正月を過ごせるような気づかいや真心を込めて書くことが大切です。
「出産報告」や「引っ越し報告」のような嬉しいお知らせをする際にも、きちんとしたマナーを忘れないことで、相手とのこれからのお付き合いを発展させることができるでしょう。
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