近年はグローバル化が急激に進み、世界のあちこちに家族や友人が住んでいるという方も少なくないでしょう。たとえ海外に住んでいても、お世話になった方に旧年のお礼と年始の挨拶をしたいと思うものですよね。
しかし、海外に年賀状をどのようにして送ればいいのでしょうか?そもそも外国の方の間には、年賀状をやりとりする文化はあるのでしょうか?
今回は、海外に宛てて年賀状を出す方法や書き方の注意点などについて、ご紹介します。
目次
海外へ年賀状を届けたい。切手は?到着までの日数は?お年玉くじは?
宛名の書き方は?いつもと違う?
まず、年賀状に関わらず国際郵便は横書きにするのが一般的です。
通常の年賀はがきもしくは普通の郵便はがきを用意し、時計回りに90度回転して宛名を横書きします。海外の住所の書き方は、日本とは順序が逆になります。
To Mr. Ms. などの敬称+相手の名前
住所(建物名、番地、町、市、州や都道府県の順)
郵便番号
国名(英語もしくは現地の言語で)
ポイントは、相手先の国名を太字などで目立つように書くこと。ほとんどの場合英語表記で問題ないと考えられますが、現地の言語で記入するほうがより確実です。また、規定の郵便番号の記入欄は空欄で構いません。
左上には、差出人の名前、住所を小さめに記入します。
From 自分の名前
住所(建物名、番地、町、市、都道府県の順)
郵便番号
Japan(国名)
そして、青字もしくは黒字で、上に“POST CARD”、下の方に“AIR MAIL”と書くことも忘れずに。年賀の文字やお年玉くじは特に消さず、そのまま送って問題ありません。
日本郵便のホームページにあて名の書き方、ひな形等が記載されていますので、参考にしてみてください!
切手はいくら?
年賀状や同じサイズのはがきの場合、世界中どこへ送っても一律の料金になります。
各国共通で、船便は90円、航空便は100円です。
つまり、切手付きはがきに追加で27円分、もしくは37円分の切手を貼り付ければ、世界中どこへでも発送することができるのです。
投函はポストでOK?元日に届くの?
宛先・差出人を記入し、切手を貼ったら、ポストにそのまま投函するだけでOK。または郵便局窓口でも受付できます。日本国内に宛てた年賀状は、元日の朝に届くよう郵便局が調整してくれますが、海外には元日に届ける習慣がありません。
そのため、ご自身でお住まいの地域から届けたい地域までのエアメールの配達日数目安を確認し、逆算して発送する必要があります。
(目安:東京〜アジア各国は3〜9日程度、東京〜北米は5〜8日程度、東京〜中近東へは約2週間。詳しくは日本郵便のホームページのお届け日数表(通常郵便物:航空便)をご確認ください。)
注意:お年玉はがき・年賀切手のくじは海外でも有効?
海外へ出したお年玉くじの賞品が当選したとしても、海外の郵便局では交換ができません。
また、海外への賞品の発送もできないため、あらかじめ相手に伝えておくのがよいかもしれません。
海外にも年賀状やお正月文化はあるの?喪中は?
外国の方に年賀状を送る場合、やはり先方の国情や宗教にも気を配る必要があります。「知らなかった!」で相手を不快な気持ちにさせないよう、主な国々の文化や注意点をご紹介しましょう。
欧米の年賀状とお正月
年末・年始に1週間程度の休みをとるのが日本では一般的ですが、欧米諸国では12月25日前後にクリスマス休暇をとって家族と過ごし、年始は元日のみ休む慣習が根付いています。
年賀状も同様に、年始ではなく年末に、「クリスマスカード」を送り合うのが一般的。新年の挨拶を目的として送られる日本のものとは違い、新年の挨拶はそこに添える程度です。
ただし、欧米諸国に住む人の中にも、イスラム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教などを信仰している方もいます。そのような方に対し、イエス・キリストの誕生日を祝う「メリー・クリスマス」という文言はNGです。
中国・韓国の年賀状とお正月
中国や韓国にも、日本の年賀状に相当する風習がありますが、その時期に違いがあります。中国や韓国には、日本にも観光客が押し寄せることで話題となった「春節」という旧正月を、より大切にする文化があります。したがって、年賀状も2月初旬にやりとりします。
中国や韓国にも干支を縁起物として大切にする文化がありますので、干支を描くと喜ばれるかもしれませんね。
イスラム圏の年賀状とお正月
イスラム圏には、そもそもお正月を祝う文化がなく、年賀状をやり取りすることもありません。ただし、イスラム教の暦の上での新年には、盛大にお祝いを行います。
「ラマダン」と呼ばれるこの月(年によって時期が変わります)は、日の出から日没までのあいだ、イスラム教徒の義務の一つ「断食」を行い、30日間の断食明けに盛大な祝宴が行われることが慣例です。
イスラム圏の人に年賀状を出す際の注意点は、偶像崇拝が禁止されているため、動物や人物の絵柄を避けることです。当然ながら、イスラム教やユダヤ教を信仰する相手に「メリー・クリスマス」の挨拶も禁物です。
海外にも喪中文化はあるの?
海外には喪中の人に年賀状やクリスマスカードを送るのを控えるという習慣は特にありません。
しかし、悲しみの癒えない相手の方の気持ちを考えて、配慮あるメッセージの言葉を選ぶのはマナー。
既成の概念にとらわれず、心の込もった励ましのメッセージを添えるのもよいでしょう。
外国語で年賀状を書いてみよう!外国語での賀詞や挨拶文の文例
せっかくなので、相手の国の言葉で年賀状を書いてみましょう。書き慣れていない言葉は上手に書くのが難しいかもしれませんが、心が込もっていると感じられ、喜んでもらえるでしょう。
⚪︎英語
- Happy New Year!(あけましておめでとう!)
- Merry Christmas and a happy new year.(メリークリスマス、そして良い新年を)
※Xmas と省略せず、Christmas という正式な表記がベター。 - Season’s Greetings and Best Wishes for the New Year.(年末年始のご挨拶を申し上げ、ご多幸をお祈りします)
⚪︎中国語
- 新年快乐(あけましておめでとう)
- 过年好(あけましておめでとう(春節のときにだけ使う))
- 身体健康(健康でありますように)
⚪︎韓国語
- 근하신년(謹賀新年)
- 20○○년에도 잘 부탁드립니다(20○○年もどうぞよろしくお願いします)
日本郵便のホームページで、主な外国語(英語・中国語・韓国語)のフレーズ集がまとめられていますので、ぜひ参考にしてみてください!
海外に住む家族・友人にも年賀状を送りましょう!
年賀状と同じ大きさのはがきであれば、一律の料金で海を越えて届けることができます。
しかし、簡単に届けられる一方で、さまざまな文化の違いを理解し、時期や言葉を選ぶなど、相手への配慮も大切にしなければならないですね。
配慮と心遣いを伴った年賀状を受け取った方は、きっと嬉しい気持ちになるでしょう。
日本から遠く離れたところに住む家族・友人に、日本が大好きな外国人の友だちに。簡単に顔をあわせることが難しいからこそ、新年の挨拶と日頃の感謝の気持ちを年賀状で伝えてみてはいかがでしょうか。
関連: