イラストや文言があらかじめ入っているプリント年賀状はとても便利ですが、そのまま送るだけというのは味気ないですよね。そんなときに手書きコメントを書き添えると好印象。ありふれたコメントではなく、自分らしい気の利いた一言を書き添えるにはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか。今回は送った相手に喜ばれる年賀状の手書きコメントについて解説します。
目次
- 1 まずは年賀状の基本ルールをおさえましょう!
- 2 ① 新年を祝う賀詞
- 3 ② 昨年お世話になったお礼を伝える
- 4 ③ 新しい年のお付き合いをお願いする
- 5 ④ 一言添える
- 6 ⑤ 送る相手の幸せを願う
- 7 ⑥ 年号、日付など
- 8 【知りたい!】相手が喜ぶコメントを書くためのヒント
- 9 日頃の会話で話題になったことから
- 10 前の年の年賀状を見て
- 11 昔の思い出話
- 12 相手の趣味や好きなものについて
- 13 相手の家族やペットのことについて
- 14 こんな手書きコメントはNG!
- 15 ・忌み言葉
- 16 ・相手に不快感を与えるコメント
- 17 ・悪口や愚痴など
- 18 ・第三者の話題
- 19 ・個人的すぎる話題
- 20 あの人にはどんなコメントを書いたらいい?
- 21 ◉友人
- 22 ◉家族や親戚
- 23 ◉同僚
- 24 ◉上司
- 25 ◉部下
- 26 一味違う手書きコメントを添えたい!
- 27 ◉有名な俳句を添える
- 28 ◉自作の俳句・川柳を添える
- 29 まとめ
まずは年賀状の基本ルールをおさえましょう!
まずは年賀状の書き方の基本ルールをおさえておきましょう。
一般的に年賀状の文章は下記の順番、内容で作成します。
① 新年を祝う賀詞
最初に新しい年を祝う言葉である「賀詞」を書きます。賀詞がプリントされた年賀状を使う場合は、手書きでさらに書き加える必要はありません。重複してしまうので不要です。また、「新年あけましておめでとうございます」は「新年」と「あけまして」の意味が重複しているので使いません。「あけましておめでとう」か「新年おめでとうございます」のどちらかにしましょう。
例)
あけましておめでとうございます
謹賀新年
Happy New Year
迎春
賀正
② 昨年お世話になったお礼を伝える
次に昨年中にお世話になったお礼を伝えます。「去年」は使わないように気をつけましょう。「去」は「去る」で不吉な出来事を連想させる縁起の良くない忌み言葉。おめでたい新年の挨拶には使いません。「昨年」「旧年」を使いましょう。
例)
昨年中は大変お世話になりました
旧年中は大変お世話になり 心より感謝いたしております
昨年は格別のご指導を賜り 厚くお礼を申し上げます
③ 新しい年のお付き合いをお願いする
新しい年にも変わらずお付合いいただけるようお願いする言葉を添えます。
例)
今年もよろしくお願いいたします
本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願いします
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど よろしくお願い申し上げます
④ 一言添える
ここで自分なりの一言を添えると好印象です。自分の近況や相手が喜ぶような気の利いた一言を書きましょう。
添え書きの内容についてはこれから詳しく解説していきます。
すでに賀詞や挨拶文がプリントされている年賀状を使う場合は、順序は関係なく、空いている箇所に手書きでメッセージを添えましょう。
⑤ 送る相手の幸せを願う
最後に相手の健康や幸せを願う言葉を添えて締めくくります。
例)
幸多き年でありますよう心からお祈り申し上げます
新しい年が○○様にとって素晴らしい年となりますように
皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げます
⑥ 年号、日付など
コメントの最後には年号や日付、干支などを書き添えます。
【知りたい!】相手が喜ぶコメントを書くためのヒント
送る相手に喜ばれるコメントを書くには「相手を思いやること」が大切です。ついつい自分の近況や目標、趣味のことなどばかりを書いてしまいがちですが、それだけでなく、きちんと相手のことを気遣ったメッセージも添えましょう。誰でも自分のことに興味をもってくれている、と分かると嬉しいものです。また、誰が受け取ってもいいようなコメントではなく、その人ひとりへ向けて具体的に書くことも重要です。
下記のようなことをヒントにコメントを考えてみてはいかがでしょうか。ポイントは相手と自分の関係の中からエピソードを拾うことです。
日頃の会話で話題になったことから
友人や会社の同僚など比較的よく会う人へ送る年賀状には、その人との会話で話題になったことを書くといいでしょう。ただし、あまりに個人的すぎる話題はNG。年賀状はポストに投函され家族も見る可能性がありますので、相手が人に知られたくないと思っていそうなことは書かないように気をつけましょう。
例)
●このまえ行きたがってたレストラン、今度行こうね!
●この間すすめてくれた本読みました とても面白かったです
前の年の年賀状を見て
久しく会っていない人の場合は前の年の年賀状のコメントを見返してみましょう。何か趣味を始めた、旅行に行った、子供が結婚した、孫が生まれた、などの近況報告からコメントを考えてみるといいでしょう。
例)
●新しく始めた趣味の〇〇を楽しんでいますか?
●お孫さんのご成長が楽しみですね
昔の思い出話
昔の友人などへ送る年賀状には、昔の思い出話などもいいかもしれません。一緒に過ごした時間のなかで、相手の記憶にも残っていそうな思い出について触れてみましょう。
例)
●学生の頃、一緒によく行った〇〇にまた行きたいね
●昔二人でよく食べた〇〇の味が懐かしいですね
相手の趣味や好きなものについて
趣味や好きな物は覚えていてくれたら嬉しいもの。好きな芸能人や好きな野球チームのこと、趣味のことなどを話題にするのも喜ばれます。
例)
●今年は〇〇(野球チームなど)が優勝だね!
●趣味の〇〇は続けていますか?今度ぜひ腕前を披露してくださいね
相手の家族やペットのことについて
大切な家族やペットのことを気にかけてもらうのも嬉しいものです。相手のお子さんの成長を楽しみにしているようなコメントや、ご両親やペットの健康を気遣うコメントなども喜ばれるでしょう。
例)
●○○ちゃん、そろそろ小学生ですね
●猫の○○ちゃんは元気ですか?
こんな手書きコメントはNG!
避けた方がよいコメントもありますのでおさえておきましょう。
・忌み言葉
最初の項目でも触れましたが、新年の挨拶にふさわしくない「忌み言葉」がありますので、知っておきましょう。「失う」「離れる」「衰える」「別れる」「切れる」「落ちる」「終わる」「倒れる」「去る(去年)」など良くない出来事を連想させる言葉を使ったコメントは年賀状では避けましょう。
・相手に不快感を与えるコメント
書く側はよかれと思って書いたコメントでも、相手にとっては余計なお世話だったり、不愉快な気分にさせるものだったりすることがあります。たとえば「今年こそ結婚してね!」「早く赤ちゃんの顔が見たいです」のようなコメントです。また、病気がちの方に「早く元気になってね」「心配しています」「頑張ってね」などもかえって気落ちしてしまうことがありますので、避けた方がいいでしょう。
・悪口や愚痴など
新年から人の悪口や愚痴を聞かされるのは気持ちのよいものではありません。普段愚痴を話す仲でも、年賀状には書かずに会ったときに話すようにしましょう。
・第三者の話題
自分と送る相手(やその家族)以外の第三者のことは話題にしないほうがいいでしょう。たとえば、「この間〇〇さんに会って元気そうだった」「〇〇さんの結婚式に行った」などです。自分と第三者の仲が良くても、年賀状を送る相手はどうか分かりません。友達同士の集まりや結婚式に呼ばれなかったことを知って気分を害してしまうこともあります。
また「○○さんは今年結婚するらしい」「○○さんが妊娠した」なども避けるべきコメントです。そういった人生における重要な事柄は本人が直接伝えたいと思っている場合がありますので、気をつけましょう。
・個人的すぎる話題
年賀状はポストに投函されますので、家族が見る可能性があります。あまり家族に知られたくない話題を年賀状に書かれてしまうのは誰でも嫌なものですよね。その人が秘密にしたいと思っていることや個人的すぎる話題を年賀状に書き添えるのは避けましょう。「好きな人がいるって言ってたけどどうなった?」とか「彼氏と上手くいってる?」などの友人同士では普通の会話も、家族には知られたくない場合もあります。
あの人にはどんなコメントを書いたらいい?
年賀状を送る相手によって喜ばれるコメントも変わってきますよね。ここでは送る相手別にふさわしいコメントの書き方についてご紹介します。
◉友人
仲の良い友人には近況や自分の趣味や目標などに加えて相手を気遣うコメントを書き添えるといいでしょう。
例)
昨年は忙しくてなかなか会えなかったけど、今年はもっと会おうね!
いつもアクティブな○○ちゃんを見習って、最近趣味で〇〇を始めました!
今年の目標は体重〇kg減!一緒にジムに通わない?
毎日忙しくて大変だけど、いつも○○ちゃんの笑顔に救われてます!
〇〇旅行楽しかったね!今年も一緒に旅行に行きましょう
◉家族や親戚
普段なかなか会えない家族や親戚には近況報告は喜ばれます。その他に相手の健康を気遣った言葉などを書き添えるといいでしょう。
例)
昨年娘が小学校に入学しました。お祝いにいただいた〇〇(ランドセル・机など)、とても喜んでいます
息子の大学受験が終わり、ひと安心しています。子育てが落ち着きましたので今年は旅行に行きましょう
みなさんお変わりありませんか?息子たちは夏休みにそちらにお伺いするのを楽しみにしています
◉同僚
会社の同僚には日頃の感謝の気持ちを伝えましょう。毎日顔を会わせる同僚は友人の感覚になりがちですが、あくまで会社の付き合いですので、あまりフランクになりすぎないように気をつけましょう。また、普段会社内で話している話題は外部の人に知られると問題があることも。当たり前のことですが、人の目に触れる年賀状で会社の重要情報を話題にするのはNGです。
例)
昨年は大変お世話になりました。今年はお互いにとって飛躍の年になるといいですね
いつも困ったときに助けていただいてありがとうございます。今年は私が○○さんをサポートできるよう成長したいです
忙しい毎日ですが、○○さんとの会話でいつも癒されています。今年もお互い頑張りましょう
◉上司
目上の人へは日頃の感謝とその人に対する尊敬の気持ちを表すコメントを添えましょう。毎日顔を会わせる相手の場合は、その人の好みや言動を日頃から観察して話題にすると、慕ってくれている、と感じてもらえます。ただし、あまりカジュアルになりすぎないように気をつけましょう。あまり会えない方へ送る場合は、近況報告と相手の健康を気遣う一言を添えるといいですね。
例)
旧年中は温かいご指導を賜り厚く御礼を申し上げます。本年もご期待に添えるよう精進いたす所存です
〇〇の案件では大変貴重なアドバイスをくださり、ありがとうございました
○○さんの仕事ぶりに一歩でも近づけるよう 本年も精進いたします
昨年赴任した北海道は食事が美味しくて太ってしまいました。○○さんはお変わりないでしょうか?
◉部下
部下や後輩へは日頃の努力や成長ぶりを讃えるような一言が喜ばれるでしょう。新しい年にやる気がわくようなコメントを考えてみてください。
例)
○○さんの〇〇な(丁寧な、迅速な、など)仕事ぶりにはいつも感謝しています。本年も大いに期待します
昨年の○○さんの頑張りは私はもちろん社内の皆が評価しています。本年もさらなる飛躍を期待しています
昨年の〇〇のプロジェクトでは○○さんのリーダーシップが大いに発揮されましたね。本年も皆で力を合わせて〇〇部を盛り上げていきましょう
いつも〇〇の仕事で部署を支えてくれてありがとう。本年も共に成長していきましょう
一味違う手書きコメントを添えたい!
人と一味違った自分らしい年賀状を送りたいという方は、俳句や川柳を書き添えるのはいかがでしょうか。特にご高齢の方に喜ばれます。
◉有名な俳句を添える
年賀状にふさわしい俳句をご紹介します。人が作った句を書くときは作者名も必ず記載しましょう。
【年賀状におすすめの俳句】
門松や おもへば一夜 三十年(芭蕉)
正月の 子供に成て 見たき哉(一茶)
年玉の さいそくに来る 孫子かな(一茶)
元日や 都の春の 置炬燵(子規)
駆け上る 松の小山や 初日の出(漱石)
松立てて 空ほのぼのと 明る門(漱石)
◉自作の俳句・川柳を添える
自作の俳句や川柳を添えるのも人とは違った年賀状になり喜ばれますね。ぜひ挑戦してみてください。
・俳句を作ろう
俳句は五七五の十七文字で季節感や情景、心情を詠みます。この十七文字という短い文字数の中に、自分が感動したことを誰にでも伝わるようにまとめるのが俳句の醍醐味。有名な句には字余りや季語のない句もありますが、俳句初心者の方は季語を入れて五七五で作るという約束事をきちんと守ることから始めてみましょう。
季節感があるか、情景が浮かぶか、気持ちが伝わるかなどに気をつけることがポイントです。
俳句初心者の方は書籍を参考にしたり、テレビの俳句番組などで学んだりすることで上達が期待できますよ。
▼別冊NHK俳句 俳句練習帖―書き込み式ドリルで楽しく上達! (教養・文化シリーズ)
【知りたい!】新年の季語は?
年賀状に俳句を書く場合は「新年の季語」を入れて作ります。季語はさまざまあり「新年」「正月」「初詣」「門松」などいかにも正月らしい季語もあれば、「去年今年(こぞことし)」「子日草(ねのひぐさ)」「初東雲(はつしののめ)」などあまり聞きなれない季語もあります。歳時記(俳句の季語が掲載されている書籍)で調べて使いたい季語を探してみるといいでしょう。
・川柳を作ろう
ここ数年、ユーモアたっぷりの「サラリーマン川柳」や「OL川柳」などが人気です。思わずフッと笑顔がごぼれてしまうような、楽しい川柳を年賀状に書き添えると気持ちが明るくなりますね。
川柳も俳句と同じ五七五の十七文字で詠みますが、必ずしも季語を含める必要はなく、人間や社会を題材とし、滑稽さが重視されます。年賀状に書くなら年末年始の出来事や新年の抱負などを川柳にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
年賀状に添える手書きコメントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。年賀状のコメントは普段なかなか言えない気持ちを伝える良い機会でもありますね。一言だからこそ気持ちがまっすぐに伝わり、喜ばれるということもあるかもしれません。ぜひ記事を参考に、年賀状に素敵な手書きコメントを添えてください。
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