新年最初の挨拶となる年賀状。最近はメールでの挨拶のみという人も増えてきましたが、やはりハガキでもらうと嬉しいものですよね。
それに仕事上お付き合いのあるお相手や年配の方、頻繁に会えない友人などにはメールですませるのではなく、元来からの風習である年賀ハガキを送りたいものです。
しかしこの年賀状、いざ書こうとすると、意外と困ることが多くありませんか?
縦書きか横書きか、目上の方への言葉遣いやマナー、使ってはいけない言葉やいつまでに出すべきなのか、どの範囲の関係者まで出すのか……書く機会が少ないぶん分からないことも多いものです。
そこで今回は、今さら人に聞くのは恥ずかしい、だけど間違えてしまったらもっと恥ずかしい!?年賀状の常識、マナー&ルールを徹底的に解説いたします!迷うことの多い新年の挨拶に、ぜひ役立てて下さい。
使ってはいけない言葉はあるの?裏面のマナー&ルール
まずは、メインとなる裏面のマナーとルールから確認していきましょう。
縦書き?横書き?
デザインを考える時、まず迷うのが縦書きにするか横書きにするか?だと思います。最近ではフリー素材も、魅力的な横向きのデザインが増えてきましたよね。
基本的には縦も横もOKなようですが、目上の方や仕事上のお付き合いのある方、年配の方など礼儀を重んじる方や昔ながらの習慣を好む方にはやはり縦書きの方が好ましいようです。
親しい間柄以外には、縦書きにした方が無難と言えるでしょう。
目上の方へのNGワードとは?賀詞についてのあれこれ
「謹賀新年」など最初に書くお祝いの言葉を「賀詞」といいます。これも目上の方に使ってはいけないフレーズなどいろいろありますよね。間違ってしまわないよう、今一度マナーやルールをチェックしておきましょう!
【寿や迎春・賀正など1文字、2文字は目上の方にはNG!?】
「寿」・「迎春」など1文字・2文字の賀詞は略語に当たるため、目上の方にはNGとされているようです。極端に言うと「あけおめ!」「ことよろ!」と言ってるようなものですね。
目上の方には、「謹賀新年」・「恭賀新年」など略されていないものを用いて敬意を表しましょう。
その他一般的な「あけましておめでとうございます」や「謹んで新春のお慶びを申し上げます」などの文章による賀詞も目上の方に使って大丈夫です。
【賀詞を2つ以上使わないように注意!】
「謹賀新年」も「あけましておめでとうございます」も賀詞にあたります。そのため、まず「謹賀新年」と書いて添え書きのように「あけまして~」と書くのは賀詞の重複に当たるのでNGとされています。
また、「新年」と「明けまして」も同じ意味です。そのため、「新年明けましておめでとうございます」も使いがちですがNGとなりますので気をつけましょう。
【Happy New Yearには“A”は要らない!?】
少し細かいことですが、「Happy New Year」の前に“A”をつけると、「良いお年を!」と言うニュアンスになるようです。仕事上の付き合いなどで英語で年賀状を出す際には気をつけましょう。
文面に迷う……添え書きについて
賀詞の後に続く添え書き。何と書けばいいのか一番頭を悩ませるところかも知れませんね。ここでもNGとされることがありますので、まずはそこを抑えましょう。
【忌み言葉に注意!】
「忌み言葉」とは、縁起が悪いとされている言葉のことです。知らずに使ってしまうこともありますので気をつけましょう。忌み言葉はたくさんありますが、代表的なものは死・終・戻・去・切・枯・苦・滅・失などです。終わりを連想させるものなど何となくネガティブなイメージを抱くものは避けた方が良いでしょう。
特に、「去年」という言葉は使いがちですがNGとなりますので気をつけましょう。「去」という忌み言葉が含まれますので、使うとするならば「昨年」か「旧年」にしましょう。
【句読点は使わない!】
新年のおめでたい挨拶に区切りをつけない、と言う意味で、句読点はNGとされています。文章が長くなりそうな場合は、改行するなどの工夫をして句読点を使わないように心掛けましょう。
【元日の重複に注意!】
「元日」とは一月一日のことです。そのため、締めくくりなどに「一月一日 元日」と書くと意味が重複してしまうので、NGとなります。特にフリー素材など既成のデザインを使う際は、元々書かれているフレーズと同じことを書かないように気をつけましょう。
家族や子どもの写真入りは大丈夫?
家族や子どもの写真の年賀状、多いですよね。あまり会えない友人や親戚の元気な姿を見られるのは嬉しいものです。ただし、家族ぐるみの付き合いでなかったり仕事上のお付き合いで出す年賀状の場合、写真が入っているような個人的なものだと相手が困ってしまうこともあります。送る相手の状況を考えて、写真入りとそうでないものを上手に使い分けましょう。
連名の時・住所の書き方など……宛名面のマナーについて
さて次は、宛名を記入する表面についてです。
友人・親戚への連名の書き方
宛名で一番困るのが、連名になる場合だと思います。全員の名前を書くのか、敬称はどうするのか、どの順番で名前を書くのか・・・まずは友人や親戚など、個人的な付き合いのある人たちへの連名の書き方を覚えましょう。
【基本的な連名の書き方】
まず、連名になる時は一番最初に世帯主の名前を書きましょう。そしてその左隣に奥様の名前、お子さんがいらっしゃる場合はお子様の名前を書いていきます。この時、名字は世帯主のみで他は省略します。敬称は略さずひとり一人につけましょう。子どもに「様」はちょっと堅苦しいかな、と言う時は「くん」や「ちゃん」でも大丈夫です。
もし家族構成が多くたくさんの名前を書く必要がある場合、または結婚したのは知っているけど名前を知らない・面識がないという場合は、名前は世帯主のみにしてその左に「ご家族ご一同様」とすると良いでしょう。
【相手が 二世帯の場合】
相手が二世帯の場合は、全て連名で出すのではなく二通出すのがよいとされています。これはルールというよりも、相手の年賀状の保管などを考えた時にそのほうが親切なのでは?、ということからきています。
【結婚した女性への連名の書き方】
一般的には世帯主を一番最初に書きますが、出したい相手が女性の場合はどうなるのでしょうか。これは、女性の旦那さまと面識があるかどうかで変わってきます。もし旦那さまと面識がなかったり、結婚式で一度だけなどほとんど交流がない場合は女性の名前のみで出しましょう。しかし、ご夫婦共に交流があったり何度か会ったことのある場合は、やはり世帯主である旦那さまから先に宛名を書くようにします。
仕事上のお付き合いをしている人への連名
次に仕事上の年賀状の場合です。間違えてしまうととても恥ずかしい上に信用も失いかねないので、気をつけましょう。
【仕事上の連名はNG!?】
基本的に、仕事上で出す年賀状で連名を使うのは誰が受け取るのか困ってしまうため、NGとされています。複数担当の方がいる場合は、個人個人に出すか、もしくは部署全体にあてて出しましょう。
会社の規模が小さい場合は、会社全体にあてて出すのも良いでしょう。
【会社名、部署などの書き方】
取引先の方などの個人宛に出す場合は、まず会社名・部署名・肩書き・最後に名前の順番に書きましょう。会社名は(株)など略してはいけません。個人宛に出すのなら、会社名などに「様」・「御中」など敬称はつけず最後の名前にだけ「様」とつけましょう。
例:○○株式会社 ○○部 部長○○様
会社宛・部署宛に出す場合は「様」ではなく「御中」とします。
例:○○株式会社御中
相手・自分の住所について
住所は、郵便番号・都道府県など基本的には略さずに書きましょう。宛名より大きな文字にならないよう、自分の住所はさらに小さめの文字で書くと失礼にあたらずバランスも良くなります。また、裏面に自分の住所を記載している場合は表にも書く必要はありません。
縦書きか横書きか?
裏面でも解説した書き方の向きですが、これは裏面と表面を統一するようにしましょう。そのため目上の方などには自然と縦書きになるかと思います。数字は、縦書きの場合は漢数字、横書きなら算数字が望ましいですね。
いつまでに出せばいいの?
せっかく心を込めて書いた年賀状、どうせなら元日に届けたいですね。いつまでにポストに入れれば良いのでしょうか?
理想は元日、遅くても1月7日まで!確実に元日に届くようにするには、特別取り扱い期間の12月15日から25日の間に出しましょう。その年によって多少前後する場合もありますので、新聞や郵便局で確認すると安全です。最近ではテレビCMでも取り上げられていますね。
また、それに間に合わなくとも「松の内」と呼ばれる7日までに届くようにしましょう。それを過ぎると寒中見舞いとなり、年賀ハガキは使えなくなります。12月15日より前に出すと普通郵便として配達されてしまいますから、それも気をつけて下さいね。
少し遅れても、もしかしたら……?
確実なのは25日までですが、28日までに投函されたものであれば配達員の皆さんが頑張って元日までに届けようとしてくれるようです!もし25日に間に合わなくても諦めないで投函してみましょう。ただしあくまでもそのように努力してくれるということなので、確実なのはやっぱり25日までに出すことですね。
喪中の場合は?
喪中の場合はもちろん年賀状は出しません。12月初旬頃までを目安に喪中である旨の挨拶のハガキを出し、どうしても近況のやり取りをしたい時は7日を過ぎてから、寒中見舞いとして知らせを送りましょう。
年賀状のルール&マナーまとめ
年賀状のルールとマナーをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?昔ながらの習慣ということもあって、やはり細かいルールが多いですね。ですが、あまり難しいことを考えて書くのがいやになってしまってはもったいないことです。
堅く考えすぎず、困った時はシンプルに心を込めて書けば、相手を不快にさせることはないでしょう。ルールやマナーを知り・守ることは気持ちを伝えることの手伝いに過ぎません。
一年に一度の年賀状、楽しくやり取りができたら嬉しいですね。
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