「年賀はがきが売り切れてしまっていた!」、「せっかく旅先で買ったポストカードを年賀状として使えたらいいのに」など、私製はがきで年賀状を出したいと思うこともありますよね。しかしながら、相手に失礼にならないのか、年賀はがきのように元旦に届けられるのかなど、心配は尽きません。
そこで今回は、私製はがきで年賀状を出すときのメリットや注意点をご紹介します。
私製はがきで年賀状を出してみよう!
はがきの種類
「はがき」と一口に言っても、いくつか種類があります。おそらく目にする機会の最も多いのが、日本郵便株式会社が発行している、切手の印刷された「通常はがき」です。
他に、新年のあいさつのために使われ、年末の一定期間に全国の郵便局で引き受けされて元旦に配達される「年賀はがき」。そして、「私製はがき」があります。
私製はがきとは、自分で作ったもの、あるいは民間の会社などが製作・販売している、切手が印刷されていないはがきを指します。郵便事業が民間企業の形態をとる前、通常はがきは「官製はがき」と呼ばれていました。“官”製はがきに対し、“私”製はがきと呼ばれています。
例えば、旅先などで目にすることの多い、きれいな風景などが描かれたポストカードも私製はがきの一つ。旅の思い出を、年賀状に乗せて届けることもできるんですね。
投函する期間と消印は?
年賀状は、「年賀特別郵便物」という一種の特殊取扱とされています。私製はがきを年賀特別郵便物として投函する場合、必ず切手の下に「年賀」の文字を赤で書く必要があります。その上で、年賀はがきと同様、年賀特別郵便物取扱期間(12月15日から12月28日まで)に郵便ポストの年賀はがき専用投入口に投函すれば、翌年1月1日の消印が押され、元日の朝以降に宛先へ届けられます。
12月14日までに投函してしまうと、通常の郵便物と同様に数日以内に届けられてしまいます。また、12月26日以降に投函すると、元旦に届く保証がないこと、さらに12月29日以降に投函した場合は、出した日付・時間帯が表示される、普通に出したものと同じ消印が切手に押されるため、注意しましょう。
干支が印刷された年賀切手を貼ろう!
切手の下に「年賀」の文字をきちんと書き、年賀状の引受期間に出せば、どんな63円切手を貼っても年賀状として元旦以降に配達されます。しかし、せっかくの年賀状、年ごとにデザインの変わる「年賀切手」を使用してみてはいかがでしょうか。
令和3年用には、干支である「丑」にちなみ、川崎巨泉(1877~1942)の描いた郷土玩具の絵(おもちゃ絵)から採り上げられたデザインの切手が販売されています(日本郵便ホームページ「令和3年用年賀郵便切手」)。これらの年賀切手を貼るだけで、年賀状らしさがグンと増しますね。
私製はがきの年賀状…相手に失礼ではない?
やはり気になるのは、私製はがきの年賀状を受け取った相手がどのように思うかですよね。新年早々、相手に不快な思いを抱かせないような気配りをするのは当然のことです。私製はがきで年賀状を出すことはマナー違反になるのでしょうか?
答えはNOです。私製はがきを年賀状として使っても、全く問題はありません。年賀状は日頃お世話になっている方に感謝の気持ちを伝えたり、新たな年の多幸を祈ったりするためのものですから、その気持ちが伝われば、はがきの種類は関係ありません。むしろ、ありきたりな年賀状よりも、個性あふれる年賀状をもらったほうが嬉しいという意見もあるくらいです。
ただし、私製はがきには当然ながらお年玉くじが付いていません。お年玉くじを楽しみにしている方は、残念な気持ちになるかもしれません。こちらについては、後ほどお年玉くじ付き年賀切手をご紹介しますので参考にしてみてくださいね。
おじいちゃんから届いた手作り年賀状の申が可愛すぎる♥ pic.twitter.com/2lPYIgdzmF
— たぬき (@main2529934161) January 2, 2016
私製はがきで年賀状を出すメリット
その1.オリジナルのデザインを使用できる!
雑貨屋さんや文具店に行けば、キャラクターものから特殊な素材を使ったものまでさまざまなデザインの私製はがきが販売されています。また、決まった大きさであれば手作りすることもできるので、世界に一つだけのオリジナルはがきを贈ることもできるのです。家にある画用紙、厚紙で、他の人より目立った年賀状を作ってみるのもよいですね。
ただし、規定サイズ・重さは、長辺14cm以上15.4cm以下、短辺9cm以上10.7cm以下、重さ2g以上6g以下です。規定サイズ・重さを超えると、定形外郵便になってしまい、追加料金が必要となったり、元旦に届けられなかったりする可能性があります。詳しくは日本郵便ホームページ「はがきのサイズ・重さについて」をご参照ください。
その2.書き損じた場合の交換手数料の節約になる
年賀状において、修正ペンなどで書き直すことはマナー違反となります。書き損じなど、失敗してしまった年賀はがきは、郵便局の窓口に持っていけば、切手やはがきと交換してもらうことができます。ただし一枚につき5円の手数料が必要になります(誤購入や服喪の場合は無料交換できる場合もあります)。
自作したはがきなら、書き損じてしまっても再度作ればよいので、交換手数料がかかる心配はありません。お子さまが「年賀状を自分で作りたい!」と言った場合も、手作りの私製はがきなら、失敗を恐れず思う存分自由に作らせてあげることができますね。
私製はがきで年賀状を出すときの注意点
その1.「年賀」を書き忘れると年末に届くことも
私製はがきを年賀状に使うとき、必ず忘れてはならないのが、切手の下に「年賀」という文字を赤で書くことです。この文字は、「元旦に届けてくださいね」ということを郵便局員に示すためのものであり、裏を返せば、書かれていないと通常の郵便物と同様、数日以内に宛先の住所へ届けられてしまいます。
投函する前に、必ず全ての年賀状に「年賀」の文字が抜けていないか、しっかり大きく書かれているか再確認しましょう。年賀特別郵便物であることが明確にわかるよう、輪ゴムでまとめて投函するのも良い方法です。
その2.お年玉くじが付いていない
年賀状といえば、年賀はがきにはお年玉くじが必ず付いています。しかし、私製はがきには付いていないため、お年玉くじを楽しみにされている方はがっかりされるかもしれません。
そんな心配を解決する、「寄附金付お年玉付年賀郵便切手」という特殊切手があります。これは、お年玉くじが印刷された年賀切手で、1枚当たり寄付金分3円を加算した66円で販売されています(販売はシート単位)。これがあれば、お年玉くじを楽しみにされている方も、年賀はがきを受け取った場合と同様に抽選に参加することができるので安心です。
その3.年賀はがきよりもコストが高くなることも
市販の私製はがきを年賀状として使う場合、はがき代と切手代が必要となります。そのため、63円ではがき代も送料もまかなえる年賀はがきよりも、やはり割高と言えます。
手作りはがきであれば、寄付金付お年玉付年賀郵便切手を使用してもプラス3円で届けることができるので、大きな差はないと言えますね。
まとめ
いかがでしょうか。年賀状は年賀はがきで出さなければいけないと思い込んでいた方もいるかもしれません。私製はがきなら、あなたのアイデアの幅をぐんと広げてくれることまちがいなしですね!
ぜひ来年の年賀状は、私製はがきで年賀状作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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