毎年魅力的な賞品が発表される「お年玉付年賀はがき」。何が当たるかワクワクしながら抽選日を待つのは新年の楽しみのひとつですよね。
それにしてもこの「お年玉付」というアイデア、よく考えたら面白い発想です。世界でもかなり珍しいサービスなのではないでしょうか。
そこで、今回は「お年玉付年賀はがき」の歴史や、当選番号、賞品の引き換え方法などについて調べてみました。
まずは基本、お年玉付年賀はがきとは?
「お年玉付年賀はがき」は、賞品が当たるお年玉くじ付きの年賀はがきのこと。年賀状といえば、この「お年玉付年賀はがき」が最も一般的ですね。キャラクターのイラスト付きのものや、寄付金付きのもの、インクジェットプリンタできれいにプリントできるインクジェット用や写真がきれいにプリントできる光沢処理がされた写真用など、さまざまなお年玉付年賀はがきが毎年発行されています。
切手を使って送りたい場合は「寄付金付お年玉付年賀切手」という年賀切手もあります。こちらは寄付金付きなので1枚につき3円が寄付額となり、63円切手の場合プラス3円の66円、84円切手の場合は87円が販売金額となります。当選番号は、はがきも切手も共通です。
お年玉付年賀はがきの父、林正治さんを知っていますか?
今では年賀状といえば、「お年玉付年賀はがき」を誰もが思い浮かべますが、この制度が誕生したのは1949年(昭和24年)のこと。それまでも年賀状を送り合う習慣はありましたが、今のような年賀はがきはなく、官製はがきを年賀状に使っていたようです。そもそも年賀はがき自体が、「お年玉付年賀はがき」の誕生により生まれたものなのだそう。
それにしても「お年玉付」というこの発想は、どこから生まれたのでしょうか。実は、“年賀状に賞品が当たるくじをつける”というアイデアは、京都に住んでいた林正治さん(当時42歳)という郵政省とはまったく関係のない一般人の方が思いついたものだったそうなのです。
終戦後の日本は通信が途絶えており、現在のようにいつでも親しい人と連絡が取れるという時代ではありませんでした。年賀状でお互いの消息が分かれば、戦後の落ち込んだ気分から皆が立ち直ることができるのではないか、それにくじや寄付金をつければ夢があり、社会福祉のためにもなると林氏は考えて、自分で見本のはがきや宣伝用ポスターまで作って当時の郵政大臣に直談判するために上京したのだそう。
しかし、当時は食べる物にも困る時代。送った人に賞品が当たるくじ付きはがきを作る、などとのんびりとしたことをやっていられる状況ではない、という意見もあり、簡単には事は運びませんでしたが、紆余曲折を経て「お年玉付年賀はがき」は誕生し、現代まで続いています。
どんな賞品が当たるの?
ちなみに第1回のお年玉付年賀はがきの特等はミシンでした。当時、既製服はまだ高く、家庭で洋服を作れるミシンは人々の憧れの品だったそうです。末等は現在と同じ切手シート。切手シートはお年玉付年賀はがきが始まった当初から続いている歴史ある賞品なのですね。
その他、過去の賞品としては、洗濯機やポータブルテレビ、電子レンジ、パソコンなどがあります。時代を反映した賞品が多いようです。ふるさと小包などの食材類も定番の賞品です。ふるさと小包は各地の特産品を集めたカタログから好きなものを選べるというものです。ここ数年は、1等・2等がちょっと贅沢な家電類や旅行、現金、電子マネーなど。3等がふるさと小包などの食材、末等が切手シートというラインナップが定番となっています。
今後も、どんなものが賞品になるのか楽しみですね!
お年玉付年賀はがきはいつからいつまで買えるの?
新年の挨拶には送り先の方に喜んでもらえる、お年玉付年賀はがきを確実に入手したいですよね。お年玉付年賀はがきの販売開始日と販売終了日を確認しておきましょう。
お年玉付年賀はがきの販売開始日はその年により異なりますが、ここ数年は10月の最終木曜からとなっているようです。
郵便局のインターネット通販では一足早く8月ごろから予約開始となります。キャラクターのイラスト入りの年賀はがきなど、人気の年賀はがきが確実に欲しい、という方は早めに発売日をチェックして予約・購入されることをおすすめします。
【注意!】 年賀状を出せるのは引受開始日から
年賀状販売が始まってすぐに年賀状を購入しても、ポストに投函できるのは、引受開始日からになります。引受開始日は毎年12月15日から。それ以降にポストに投函するようにしましょう。
お年玉付年賀はがきの当選番号の抽選日と調べ方
年賀状をいただいたら、お年玉年賀はがきの当選番号抽選日までワクワクしながら待ちましょう。抽選日は毎年1月中旬から下旬に発表されることが多いようです。賞品の引き換え期間は当選番号発表後6ヶ月以内。忘れずに確認してください!
お年玉付年賀はがきの当選番号は郵便局のホームページで調べるのが確実な方法です。また、郵便局に当選番号が書かれた紙が置いてあることがありますので、その紙をもらってきて調べることもできます。抽選日の翌日には新聞にも掲載されます。
【知りたい!】当選番号はどうやって確認するの?
お年玉付年賀はがきの当選番号は3等下2桁、3等下4桁、などと発表されますが、下○桁、とは右から数えて○桁目まで、という意味です。あわてて逆の左側から数えないように気をつけましょう。
番号の左にある組番号は気にする必要はありません。当選番号は全組共通です。
でも、この組番号、見る必要がないのになぜついているのでしょう。
調べたところ、これは年賀状の種類を郵便局側が区別するためのものということでした。A組が寄付金付絵入り年賀状、B組が通常の年賀状、C組がカーボンオフセット年賀を意味しています。カーボンオフセット年賀とは、地球温暖化を防止するプロジェクトを支援する目的で作られた寄付金付年賀状のことで、2012年用以降は発行されていません。
以前は販売価格に寄付金が上乗せされているA組の年賀状の当選確率を高く設定したり、C組限定賞があったり、といったこともありましたが、現在はどちらの組でも当選確率は同じで、区別は特にありません。
年賀状が多すぎて調べるのが大変!効率良く調べる方法はない?
毎年、年賀状が何百枚も届くという方は、当選番号の確認が大変ですよね。でも大変だからといって調べないのはもったいないですよ!当選を効率良く調べる方法をご紹介します。
ついつい当たったら一番嬉しい1等から確認したくなりますが、1等の当選番号6桁をすべて見て、次は2等…と確認していくのはかなり大変な作業。当選番号ひとつひとつを確認するのではなく、全当選番号の下2桁だけを見ていくというのが効率のいい方法です。すべての当選番号で下2桁がはずれていれば、そのはがきははずれです。
当たっていれば、さらに下3ケタを見て、さらに当たっていれば下4ケタ、5ケタと見ていきます。すべて当たっていたら1等当選!おめでとうございます!
最近では、当選番号が簡単にチェックできるサイトやアプリもあるようです。枚数が大量にある場合は入力したり読み込ませたりするのはかえって手間になってしまいますが、枚数が少ない場合は楽しく確認できるので活用してみるのもいいですね。
▼年賀はがき当選番号読み取りアプリ「年賀 de お年玉」
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.ssl.nengaOCR&hl=ja
【気になる!】書き損じはがきや未使用はがきはどうなるの?
年賀状を書くときに書き間違えて不要になった書き損じはがきや、使わずに残ってしまった未使用はがきもお年玉くじの対象になります。当選したら、もちろん賞品と引き換えてもらえますので、書き損じはがきや未使用はがきももれなく確認しましょう。未使用のお年玉付年賀切手が当選した場合は、窓口に提出すると使用済みにされ、代わりに通常の63円切手を渡してもらえるそうです。
見事当選!どうやって引き換えするの?
当選番号を確認して当選していたら、賞品の引き換えに行きましょう。引き換え期間は発表後6ヶ月以内です。
当選したはがきや切手と身分を証明できるものを持って近くの郵便局に行きます。はがきは番号部分を切り取らずにそのまま提出します。以前は引き換え済みかどうか分かるように郵便局側で番号部分を切り取っていましたが、裏側に住所などの連絡先が書かれていることもある、ということで、現在では消印を押すという処理方法に変わっているそうです。
お年玉切手シートが当選した場合はその場で引き換えてくれますが、その他の賞品は窓口で本人確認後、後日、郵送で届けてもらえます。現金の場合は現金書留で送られてきます。
窓口で処理が完了したら、あとは賞品が届くのを楽しみに待つだけです!
まとめ
お年玉付年賀はがきの歴史や当選番号にまつわるあれこれを調べてみました。いかがでしたでしょうか。お年玉付年賀はがきが、ある一人の男性の思いから誕生して現在まで続いているとは驚きました。
年賀状は、普段会えない友人や、遠くにいる親戚の近況を知れるという楽しみがありますが、お年玉付年賀はがきにはさらに楽しみがあるのが嬉しいですよね。一度は素敵な賞品を当ててみたいですね!
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