年賀状デザインの裏バナシ | アイシングクッキー作家 Charlotte ~つくり手の想いを知る~
美味しそうな年賀状はいかが?
アイシングで描かれた可愛いお正月モチーフ
アイシングクッキー作家
Charlotte
2008年、子供のお誕生日ケーキのデコレーションとして、独学でアイシングクッキーに挑戦。以来、その楽しさに魅せられて、教室を始めることに。型作りから全てオリジナルで、アイシングには珍しい和風のデザインも。食べ物をリアルに表現するのが得意。
誕生日に大好きなキャラクターでケーキを作ってあげたい!息子さんへの思いがきっかけ
息子さんの誕生日ケーキ作りのために始めたアイシングクッキー。お友達の誕生日や記念日にプレゼントすると、とても喜んでもらえたそう。それが嬉しくて、どんどん制作にはまり込んだCharlotte(シャルロット)さん。
さらに技術や知識を深めたくなり、「求!アイシング経験者」と書かれた求人に応募。思い切って、仕事として制作できる環境を求めました。見事採用され、一度に何百枚という膨大な量のお仕事をこなしたそうです。「その経験が今のお仕事に結びついているのだと思います!」と話してくれました。
「つくる」こと「細かい作業」が大好きなのは、少女時代から
「お菓子作りに限らず、いろんなものを作ってくれた母親の影響で、とにかく『つくる』ことが大好きなんです!」。その言葉通り、インタビュー中もとっても楽しそうにクッキーを作ってくれたCharlotteさん。
子どもの頃から絵を描くことが好きで、服飾を専門的に学んだ経験もあるとか。モノを作るときはひとつのことに集中して無心になれる。そんな時間が大好きなんだそう。
クッキーの抜型から自分で作るんです!
オリジナル作品がたくさんあるCharlotteさんのアイシングクッキー。いざ、デザインが決まっても、抜型がなかったり、形はあっても箱の大きさに合わないということも。そんな問題も、抜型から自分で作ることで解決しました。
写真は、描いた富士山に、薄いアルミの板を添わせて、指で成形して抜型を作っている様子です。たった数分で、抜型が完成!
デザインのイメージづくりはじっくりと
デザインは、雑誌やネットを見ながら考えることが多いCharlotteさん。参考にするのはフードの写真に限らず、いろいろなジャンルからクッキーにしたいモチーフを探します。子供の絵本や通販カタログなどにヒントを得た作品も!
立体感を大切に、ぷっくりとしたかわいらしさを目指して
アイシングをするときに重要視しているのは、いかに「立体感」を出すか。そのため、いったんアイシングした上から再度アイシングを重ねることもよくあるそうです。
この写真の凧も、何度も重ねづけしたアイシングがとっても美しいですね。
Charlotteさんいわく、「普通に絵を描くよりもアイシングの方がやりやすいし、上手に見えるんですよ!」とのこと。
賞味期限や梱包を気にせず、デザインを追求できる年賀デザイン
普段は、プレゼント用に注文を受けて制作し、発送する受注生産のクッキーづくりが中心。発送中に割れないよう梱包する必要があるため、デザインも少し制約を受けます。また、「食べる」という大前提のもとに作るので、賞味期限も大切。
年賀作品の場合も美味しく食べられる材料で制作しますが、賞味期限を意識せず、ゆったりと作品づくりができるという違いがあります。発送が不要なので、クッキーの形にとことんこだわったデザインを追求できるのも楽しいそう!
お重まで食べられる! 銀箔も使ったクッキー製の「おせち料理」
2017年・酉年に制作した、おせち料理の作品が思い出深いそうです。特に、海老と田作りにはかなり工夫を凝らしています。
「海老は質感を表現するために、アイシングの上からさらに筆で色を入れています。田作りでは、魚の光った感じを表現したくて、銀箔を貼った上に色を付けました。伝わりにくいのですが、お重もアイシングクッキーで作ったんですよ!」。その仕上がりのリアルさには驚きですね。
Charlotteさん流、アイシングクッキーのコツをご紹介!
アイシングの色付けには「黒」を少しだけ加える
⇒全体がグレイッシュで優しい色に!
黒には食用の竹炭パウダーを使うのがCharlotteさん流。
多色使いの時は、白から順に濃い色をつくっていく
⇒薄い部分からだんだん食用色素を加えて、濃い色に変化させると色づくりもカンタン!
絞るときは怖がらずに思いっきり
⇒絞り袋をしっかり握り、思い切って線を書くとキレイに仕上がる!
直線を書く時は、クッキーと絞り袋の間隔を開け、肘をつかずに絞るのがポイント。
クッキー本体は甘さ控えめに!
⇒アイシングは砂糖たっぷりなので、砂糖控えめのベースにすると適度な甘さに。
生地は薄く伸ばして冷凍しておくと型抜きしやすくてオススメ。
とても楽しいので、皆さんもぜひ挑戦してみてくださいね!
見て楽しい、食べておいしいCharlotteさんのアイシングクッキー。今回の取材では、抜き型作りからクッキー作り、仕上げのアイシングまで見せてくれました。
おたより本舗スタッフも、教わりながらアイシングにチャレンジ。結果、上のような仕上がりとなり、その完成度の差に愕然!
Charlotteさんがアイシング作品でいつも心がけているのは、優しい雰囲気を伝えること。
特に年賀状用の作品では、お正月の楽しいお祝いをイメージして、日本ならではの文化を盛り込むことも意識しているそう。
「年賀状は食べられませんが、受け取った方がほっこりうれしくなるような作品を作りました」。
Charlotteさんの思い、ぜひ作品を通して味わってください!
(編集:久保)