年賀状デザインの裏バナシ | 服飾系グラフィックデザイナー ミヤギスグル ~つくり手の想いを知る~
スタイリッシュな”赤い干支シリーズ”が人気
アパレル業界で活躍中の気鋭のデザイナー
服飾系グラフィックデザイナー
ミヤギスグル
ニューヨーク州立デザイン学校FITを卒業後、トミー・ヒルフィガーやリーバイスなどのアメリカ大手服飾企業にグラフィックデザイナーとして勤務。その後、ソーダシー・アパレルを起業し、カルバン・クライン、ケネス・コールを顧客に持つ。
見どころはズバリ!ミヤギスグルの「赤い干支シリーズ」
おたより本舗には、2017年の酉年から年賀状作品を出品してくださっているミヤギスグルさん。
アパレル業界でのグラフィックデザインの経験を活かしながら、さまざまなテイストの年賀状を作ってくださいます。
中でも印象的なのは、写真の「赤い干支シリーズ」。
迫力のあるイラストに、燃えるような力強い“赤”がよくマッチしていますね。
酉、戌、と続き、その次の“赤い亥”は、ミヤギさんいわく少し作風を変えてみたのだとか。亥のイラストについて、詳しくお話を伺ってみました!
「戌年までの作風とは少し変えて、“絵”っぽく仕上げてみました。一番苦労したのは、迫力のあるイノシシを、柔らかく笑わせる事でした。」
ミヤギさんは、その試行錯誤が分かるビフォーアフターを見せてくださいました。
最初はイノシシの口元をリアルに表現していましたが、より柔らかい表情にするため、牙や唇のうねりを後からなくしたのだそう。
確かに!修正後の方が、すっきりとかわいらしい印象です。
表情一つにとことんこだわり、妥協のない姿勢が完成度の高い作品を生み出しているんですね。
戌年の年賀状では、振り向く犬をリアルに表現
戌年のおたより本舗では、“犬にグイグイ引っ張られて目標達成が多い1年”というコンセプトの作品を提供してくださいました。
「描いてて楽しかったです。犬を飼ってる方なら分かると思うんですけど、前を歩いている犬が時々振り返ってみせる“確認の表情”というのが個人的に出せたと思うので、印象に残ってます。」
犬の可愛らしさをリアルに捉えながら、ポジティブな思いが込められた、素敵なイラストですよね!
ミヤギさんの精巧なデザインが、カルバン・クラインに
ミヤギさんは、ニューヨークの大学を卒業し、そのまま現地で就職されました。
独立後も、アパレル関連のデザインやプリントを多く手掛けていらっしゃいます。
なんとあのカルバン・クラインとも、長くお仕事をされているとか…!
その中のひとつが、写真にある個性的なシャツのプリント作品。
模様を繰り返して印刷する“リピート”という技法は、ミヤギさんにとって初の挑戦となりました。
「リピートの場合、連続的にプリントされるので、つなぎ目があってはいけないんです。当時はフォトショップというパソコンのソフトに、リピート作成の機能が無かったので、自分の手で製作しました。一見、鉛筆でグチャグチャに書いた様に見えますが、かなり苦労した作品です。」
一見、大胆な模様に見えますがカルバンクラインらしく、シンプルに洗練されたデザインと良くマッチしていますね。
一本一本、曲線の配置が計算されているのだと思うと、職人技のような精巧さを感じます。
こういったお仕事のアイデアは、美術館などを訪れたときに浮かぶことが多いそう。
様々なアーティストの作品を見て、日々感性をバージョンアップされているのでしょうね。
今後の抱負については「今までと変わらず、頑張ります。」と、スマートな回答をいただきました!
(編集:村上)