年賀状デザインの裏バナシ | 書家/書画作家/絵本作家 安川眞慈 ~つくり手の想いを知る~
ひらめきから生まれる自由な筆絵
心に響く言葉にもにっこり
書家/書画作家/絵本作家
安川眞慈
創玄展、毎日書道展、奈良県展を経て、ねずみどし生まれの只今一匹狼。生命感を吹き込む書表現をベースに、わかりやすく、楽しい作品を数多く手がけています。
胸に染みる!
詩・書・画の美しいハーモニー
心に響く温かい筆文字に、ほっこりするようなカラフルな筆絵。見た人をポジティブな気持ちにさせてくれる、味わい深い書画作品を生み出すのは、安川眞慈さんです。
「真っ白な紙を見ていると、なんとなく絵が浮かんでくるんです。ふにゃふにゃ~って。」そう話してくれた安川さんは、普段どんなことを考えて作品作りに挑まれているのでしょうか。今回はその秘密を、おたより本舗スタッフが探ってみました!
考える前に動く?
“自由自在”であることが、良い作品を生み出す
いつもどんな気持ちで作品を手掛けているのか伺うと、安川さんは“カコトレヨ”という言葉を教えてくれました。これは、偏らない・こだわらない・とらわれない・レッテルを貼らない・欲張らない、の頭文字をとったもの。
「書くときに、あんまり考え込むとダメなんですよ。動物みたいに、直感的にパッと動いたときの方が絶対いいものができる。でも悩む。だから考える前に動く、というのを僕は勝手にやってます。」
この“勝手にやってます”という言葉。 安川さんは作品を作るとき、何かを“意識”して取り組むのではないのだそう。 自分自身を縛らない、考えを縛らない、作品を縛らない。自由自在な状態で、作品が生まれることが理想なんですね。
言葉の引き出しを増やすカギは、小さな手帳
私たちおたより本舗に筆文字を提供するにあたり、どんな言葉を書こうか?と提案してくれる安川さん。短時間のうちに、素敵なアイデアがとめどなく溢れ出てきます。
それもそのはず、安川さんは普段から小さな手帳を持ち歩き、言葉の引き出しを増やしているのだとか。
「人間なのでどんどん忘れるし、気付いたときに書いておかないと。悔しいことに、寝るときに思いついてそのまま寝てしまったら、次の日には大概忘れてるんです。また捜しても、二度と会えないんですよ。」ひらめきとの出会いは一期一会。時間や場所を問わず満員電車でも手帳を開くという安川さん。言葉への強い想いがあるからこそ、心に響くアイデアや作品が次々と誕生するんですね。
一日でも若いときに、“しんどいこと”をする!
安川さんは、自身の体の大きさを遥かに上回る、特大サイズの作品も手掛けています。50歳記念に開催された、奈良の西大寺での個展「西大寺展」では、大きなロール紙に漢詩をしたため、会場の外に展示。こんなに大きな作品、書くだけでも大変そうですよね!
「どんどん歳をとっていくので、何年か後にやろうとした時はもっと体力がなくなってるじゃないですか。僕は一歳でも若いときに、一日でも若いときに、大きな作品はたくさん書いておく方がいいと。」
しんどいことは、人を成長させてくれる。安川さんの言葉を聞くと、若いうちにいろんな経験を積んでおくことが大切だと、改めて感じさせられますね…!
父の書く、個性的な字に魅了されて
安川さんが書道に取り組み始めた元を辿れば、お父さまの背中を見ていた影響も大きかったといいます。
「父親の字がすごく達筆なんですよね。特に習ってたとかではないみたいなんですけど。昔から手紙とか、筆で書いたりしてるのをずっと見てました。本当に個性があって、パッと見たらもう父親って分かる字なんです。」
書くことを楽しむお父さまの姿を見て、文字の魅力を知った安川さん。サラリーマン時代は、印刷屋さんや看板屋さんなど、文字に携わる仕事をたくさん経験したそうです。
3才~5才は天才!?
子供から学べることは無限大
安川さんは現在、書道の講師やワークショップにも取り組んでいます。なんとまだ文字を読めないような保育園児たちとも、書道を通してふれあいの場を設けているのだとか。
「僕以上に子供たちのほうが楽しんでるんですよね。特に5才までが天才。やっぱり大人になると、だんだん上手く書こうという意識が出てくる。悪い言い方すると、型にはまっちゃう。個性がなくなっちゃうんですよね。だから、何でも考えず自由に書く3才~5才は天才です。」
子供たちにとってはすべてが新鮮で、楽しくて仕方ないのでしょうね!書くことの喜びや楽しみを素直に感じることのできる子供から、安川さんもパワーをもらい、勉強させてもらっているそうです。
いろんな年代の方と触れ合って、
新たな自分を見つけたい
今後もいろんな場所でいろんな年代の方とふれあう機会を作りたいという安川さん。「子供たちだけじゃなく、おじいちゃん・おばあちゃんも。今までいっぱいいろんな事されて社会に貢献された方々と、時をともにして、表現する楽しみというのを一緒に感じたいですね。」
新しい事をすると、また新たな自分を発見できる。まだ自分の可能性がよく分からない部分もあるという安川さんは、これからもたくさんの人と関わり、学び、素敵な作品を作り続けられるのでしょう…!
(編集:村上)