年賀状デザインの裏バナシ | イラストレーター 小倉マユコ ~つくり手の想いを知る~
女子のハートを掴む和風コラージュ!
ふんわり優しい色づかいが魅力
イラストレーター
小倉マユコ
神奈川県生まれ。東京都在住。会社員を経て2010年よりフリーのイラストレーターに。東京デザイン専門学校キャリア・イラストレーションコース修了。透明水彩による鮮やかな色彩や質感を活かしたタッチで、書籍表紙・挿絵、広告等で活動中。
透明水彩で描かれる、
どこかもの憂げな女性たち
お花と人物をコラージュして、和風の美しいイラストを手掛けるのは、小倉マユコさん。透明水彩を使って、どこかもの憂げな女性を繊細に描きます。
市松模様の和服を身にまとい、小指の赤い糸を見つめる女性は、2011年に通販用ポストカードのイラストとして描かれました。誰かに想いを寄せているのか、火照った頬が印象的ですね…!このイラストがきっかけとなり、着物の女性や和風イラストの依頼が増えたそうです。
今回、おたより本舗にもイラストを提供してくださった小倉さん。年賀状デザインでは、干支となる“動物”モチーフが中心となりますが、人物以外のイラストとなると大変な部分もあるのでしょうか?
年賀状ならではのこだわりやポイントについて、小倉さんにお話を伺ってみました!
写真フレームの配置を工夫して、
はなやかで楽しい印象に
「普段は人物を描くことの方が多くて、動物をメインに描くのは年賀状の仕事ならではですね。干支の動物をデフォルメして、可愛いキャラクターにして描くのが楽しいです。」日頃あまり手掛けないモチーフも、楽しみながら描いていらっしゃるようです。
そして、2019年は写真入り年賀状のデザインに出品いただいた小倉さん。「写真フレームの配置場所は大事だと思っています。サイズに大小のメリハリをつけながら、はなやかで楽しい印象になるように工夫しました。」写真の大きさや枚数は、その年賀状の使いやすさにも大きく影響しますよね。
小倉さんは、亥年のデザインラフを見せてくださいました。差出人や添え書き分の入力場所も計算しながら、効果的にレイアウトを組んでいらっしゃる様子が伺えます!
子どもを可愛く見せたい!
たくさんの共感を得た酉年の年賀状
これまで何度もおたより本舗にデザインを提供してくださっている小倉さん。中でも印象に残っているのは、酉年の年賀状だといいます。
「このデザインはとてもたくさんの方に使っていただきました。自分の子どもの写真入り年賀状を送るとしたら、こんなふうに可愛く見せたい!という想いで作ったので、たくさんの方に共感していただけたのかなと思います。」
大きな家族写真1枚と、隣に子どもの写真を個別で添えたくなる、魅力的なデザイン。年賀状を作るお母さん・お父さんの気持ちをよく理解したレイアウトですよね。背景やイラストも淡いカラーでまとめられ、優しい雰囲気が素敵な1枚です!
和風テイストを活かして、
書籍の表紙や広告物も!
小倉さんがフリーのイラストレーターとして活動を始めたのは2010年。それ以前は4年間、メーカーでペットボトル飲料の商品開発をしていたそうです。「当時働いていた会社にデザイン部があって、そこでデザイナーと密に仕事をする中で、子どもの頃から得意だった絵を仕事にできるんじゃないかと気づいたんです。」
現在は書籍の表紙や挿絵、広告物なども手掛けるようになったという小倉さん。写真は、『賢子はとまらない!』という児童書のカバーイラスト。儚げで透明感あふれる作風からは少し離れた、明るいポップな色調が印象的ですね。
実は小倉さん、2018年にお子さんをご出産されて、お仕事をしばらくセーブしていらっしゃいました。今後は本格的に復帰して、自身の作品を世にたくさん送り出したいと考えているそうです!
(編集:村上)