年賀状デザインの裏バナシ | イラストレーター/ぬいぐるみ作家 ながのまみ ~つくり手の想いを知る~
絵本から飛び出したようなおちゃめな干支キャラに
受け取った人もにっこり
イラストレーター/ぬいぐるみ作家
ながのまみ
1987年大阪市生まれ。2005年に大阪市立工芸高等学校美術科(日本画コース)、2007年に大阪市立デザイン教育研究所を卒業。その後、大阪市内のデザイン会社に入社し、パッケージデザインをはじめイラストやキャラクターデザインに従事。2012年4月まで5年間の勤務を経て、2012年5月よりフリーランスとして活動。「mofpof(モフポフ)」を起ち上げ、作家活動も開始。
モフモフ、ポフポフ、したくなる…!
癒し系のキャラクターたち
まーるいお鼻に、つぶらな瞳が特徴的な動物たち。短い足でトコトコと歩き出しそうな姿はとってもキュートです。モフモフ…ポフポフ…と可愛がりたくなるこのぬいぐるみたちは、「mofpof(モフポフ)」というブランド名で商品化されたもの。実はこれ、たった一人の女性がキャラクターデザインから立体化までを手掛けているんです!
その女性というのが、イラストレーター・ぬいぐるみ作家の、ながのまみさん。自身の公式サイトでもあまり顔出しはされないのですが、おたより本舗からのお願いを受けて掲載をOKしてくださいました!今回は、ながのさんの可愛らしいお人柄や作品の世界を惜しみなく紹介したいと思います…!!
“ジャンプが得意”!?
細かいキャラ設定も魅力
ぬいぐるみだけでなく、絵本や雑貨にもなっている「mofpof(モフポフ)」のキャラクターたち。個々のキャラクターには“ジャンプが得意”だったり、“釣りが好き”といったさまざまな設定が。思わず子供に読んであげたくなるような絵本のストーリーも、ながのさんが考えているんです。
1枚もののイラストとはまた違った“キャラクターデザイン”という分野。ながのさんはいつからこのような活動をするようになったのでしょうか。
パッケージデザインの仕事で、
キャラクター作りを学んだ
現在はフリーの作家として活躍しているながのさんですが、もともとはパッケージデザインの会社に勤めていました。パッケージを提案する上で、商品キャラクターを作る機会も多かったといいます。大人の事情で載せられませんが、当時は大手企業の商品キャラクターもデザインし、提案していたとか…!
「会社に勤めていると、やっぱりいろいろ教えてもらえるんですよね。キャラクター設定はあった方がいいとか、展開の仕方とか…。」ながのさんは日々の業務を通して、キャラクターデザインのコツを掴んでいったんですね。
そして次第に、自分の考えた世界観でブランドを立ち上げたいと思うようになったそうです。
就活時代のポートフォリオは、絵本風!?
小学校の頃から得意な科目は図工で、お絵描きや工作が大好きだったというながのさん。中学卒業後は、漠然と好きなことをしたいという思いで美術系の高校に進学。「将来のことは全然考えてなかったですね。イラストに関わる仕事をしたい、とかも一切なく。ただ絵を描きたい、という気持ちだけでした。」とにかく好きなことを突き詰めていったんですね。
その後、ながのさんは専門学校に進んでデザインのことを学びました。就職活動では自分を覚えてもらうため、ジャンル別に分けた絵本風のポートフォリオを持ち歩いていたそう。なんとこのポートフォリオ、1冊1冊自分の手で製本したのだとか。ここでもながのさんの工作好きが活かされていますね…!!
同級生の影響で、ぬいぐるみ作家の道へ…。
会社員だったながのさんが独立を考えるようになったきっかけとして、学生時代のお友達の存在が大きかったといいます。同級生がイベントで手作りアイテムを販売しているのを見て、“自分もやりたい”と強く思うようになったのだそう。
「イベントに出るなら平面のイラスト以外にも何か作りたいと思って。それまでぬいぐるみなんて作ったこともなかったんですけど、とりあえずイラストをなんとなく描いて、それをぬいぐるみにして、どうしてもバランスが悪くなったら今度は絵の方をぬいぐるみに寄せてみて…と、いろいろ試しながらの制作でしたね。」大好きなモノづくりへのエネルギーを惜しまないところが、ながのさんの素敵なところですね。
綿をつめる作業や、似たようなパーツの量産は、旦那さんやお母さんにも手伝ってもらったとか。“すべて手作り”ということの大変さが伝わってきますね…!!
「mofpof(モフポフ)」のキャラクターにはモデルがいた!?
今でこそたくさんのキャラクターが揃って賑やかな「mofpof(モフポフ)」。当初のキャラクターは9匹だったそうです。
実はこの9匹、モデルがいたのだとか!?初耳!!…というのも、「mofpof(モフポフ)」はもともと、ながのさんにとって大切な人たちへのプレゼントとして生まれたものだったんです。
「独立して会社を辞めるとき、お世話になっていたチームメンバーの9人に感謝の気持ちを伝えたくて。この9匹はそれぞれ当時のメンバーがモデルになっているんです。この子たちを通して、今後自分が作家としてやっていきたいって気持ちも伝えられたらな、と思って…。」
キャラクターたちの仕草や表情から個性が溢れているのは、身近なモデルがいたからなんですね。とても粋なプレゼント、チームメンバーの皆さんは嬉しかったことでしょう!
師匠は旦那さん?イラストで生計を立てるために
ながのさんの旦那さんも、実はフリーのデザイナー。17歳離れているというお二人の関係は、傍から見ているとまるで師弟のよう。「専門学校の頃に出会ったんですけど。世の中にはどういう仕事があるのかとか、どうやってイラストで食べていくのかとか、いろいろ教えてもらいました。」
旦那さんから紹介してもらった本には、いろんなイラストレーターさんのお仕事事例が。今でもたまに読み返しているそうです。ながのさんにとって、旦那さんは仕事のことも相談できる理想のパートナーなんですね!
依頼のお仕事と、作家活動の両立を!
現在は本の挿絵やパッケージデザインの依頼で忙しく、なかなか作家活動の時間を取れない状況だというながのさん。動物やキャラクター以外にも、要望に沿ったタッチでイラストが描けるので、色々なところからお声がかかるようです。
「やっぱりもっとオリジナル作品も作っていきたいですね。依頼のお仕事と作家活動を両立させるのが目標です!」好きなことに全力なながのさんの“手”で生み出される、愛嬌たっぷりのキャラクターたち。これからどんな作品が発表されるのか、おたより本舗スタッフも楽しみにしています!
(編集:村上)