年賀状デザインの裏バナシ | 書家 澤田佳典 ~つくり手の想いを知る~
金の一文字の年賀状が毎年好評!
のびやか&華のある書で新年にふさわしく
書家
澤田佳典
大阪府出身。書に携わり15年。ここ数年は団体に属さず、自由に創作活動をしている。知人からの依頼で作品を手掛けたり、フリーマーケットや地元の芸術祭にも参加する。伝統を踏まえながらも今日的で清らか、上品な書を理想とし、活動を展開中。
清らかさが心地よい、書作品の数々
決められた作法を大切にし、伝統にのっとりながらも、現代的で上品な書を。
そんな思いで日々筆を走らせるのは、澤田佳典さんです。
静けさの中に、力強い迫力を感じる書作品の数々。
その清らかな筆運びを目にすると、心が洗われるようですね…。
おたより本舗では、「金の一文字」年賀状でおなじみ。
しなやかで迫力ある筆文字が、和風ジャンルの中でも大人気なんです。
長年に渡って多くの書を手掛けている澤田さんは、いつもどのようにして作品のイメージを膨らませているのでしょうか?
また、書の道に進んだきっかけは、一体どのようなものだったのでしょう?
おたより本舗スタッフが、少しお話を伺ってみました!
筆をとる前に、半分以上は仕上がっている!?
「作品を手掛けるときは、まず書きたい“言葉”を考えます。それが決まったら、次は楷書なのか行書なのか、といった“書体”を。そしてやわらかい、力強い、などの“書風”を決めていきます。」
同じ言葉でも、“どう表現したいか”という方向性によって、全く異なる作品になるんですね。
「あとは、縦書きなのか横書きなのか、余白はどれぐらいあけるのか、といった“レイアウト”や、ある程度の墨の“濃淡”も、筆をとる前に決めます。ここまでの作業で、半分以上は仕上がった感じですね。」
紙の上に文字を書く前に、イメージを膨らませ、表現したいことを追求する作業が重要なのですね!
そして、全体の細かいバランスや墨量などは、書きながら試行錯誤していくそうです。
“ありがとう”と書かれた作品は、最後の一文字“う”だけが少し左に配置されています。
感謝の気持ちに余韻を残し、少し照れくささが混じったような表現にも見えますね。
はじめは趣味探し感覚だった!?今後は個展の開催も
澤田さんは、本格的に書道を始めた経緯について教えてくださいました。
「最初は趣味探し程度で、文化センターの書道教室に通い始めました。上達してくると、知人から依頼をいただいたり、フリーマーケットに出店してみたいと思うようになったり。」おたより本舗との出会いも、そのフリーマーケットがきっかけだったんですよね!
年賀状作品でも、あまり文字を崩しすぎず“読めること”に重点をおいているという澤田さん。今後の抱負は、作品を書きためて個展を開くことだそうです!
(編集:村上)