年賀状デザインの裏バナシ | 油彩画家 s.ukawa ~つくり手の想いを知る~
じわじわくる!ポップな油彩
男性もハマるイラスト年賀状
油彩画家
s.ukawa
1998年より動物をモチーフとした作品を展開。個展・グループ展・イベントに多数参加。単純な言葉遊びに見せ掛けて、何か引っかかるものが心に残り、後々に真意に気付いて頬が緩んだり胸がキュッ締め付けられたり。そんな寓意画が理想だと語ります。
リアルすぎず可愛いすぎず、
イラストすぎず油絵すぎず
こちらの年賀状は、油彩画家であるs.ukawaさんが手がけた作品です。
一見シンプルですっきりまとまっているように見えますが、色の重なりや光の表現に思わず目を奪われてしまいませんか?
ukawaさんによると「リアルすぎず可愛いすぎず、イラストすぎず油絵すぎず、を心がけて描きました。」とのこと。
ukawaさんは年賀状以外にもさまざまな油彩画を発表されています。
日々どのようなことを大切にして活動されているのでしょうか。
おたより本舗スタッフは、少しお話を伺ってみました。
わざわざ油絵で描かなくていいものを描く
「笑えるものもシリアスなものも、基本的には同じテンションで描いています。」
油彩画の古典的技法を用いて、わざわざ油絵で描かなくていいものを描くところが、ukawaさんの面白いところ。
遅刻してしまったのか、バケツを両手に持ち反省しているスズメの作品には、何とも言えない哀愁が漂っています。
こんなにポップな内容でありながら、どこか深みを感じてしまう。ukawaさんの作品を見ていると、そんな不思議な感覚に陥ります。
何となく心に引っかかった、面白そうなものを作品に
ukawaさんは、もともと美術系の大学に通っていたそう。
クリエイターのお友達も多く、アルバイトとして勤めていた雑貨屋のオーナーからの提案もあり、自分たちの作品をお店に並べるようになったとか。
そこから徐々に作家として活動の幅を広げていかれました。
「ふと目にとまった光景や耳に入ってきた会話や音、なんでもない落書き。そんな何となく心に引っかかったストックの中から、面白そうなものを拾い上げて絵にしています。考えに考えてひねり出そうとしても、苦しんだ時点で面白く思えなくなってくるので、煮詰まりそうな予感がしたら一旦放り出すようにしています。」
ukawaさんにとって「面白い」と思えるかどうかは、作品を手がける上で重要なポイントのようです。
おしゃべりしながらライブペイントしてる時間が好き
個展やイベントでは、お客様の目の前でライブペインティングもされているというukawaさん。
こちらは、百貨店のイベントの際にライブペイントで完成させた「引っ越しの達人」という作品です。
足を運んでくれたお客様や、たまたま通りかかった方から聞いた「引っ越す時に絶対持っていくもの」をその場でどんどん足して出来上がった一枚なのだそう。
「眺めていると、みなさんがその一品について語ってくださった濃いエピソードを思い出します。おしゃべりしながらライブペイントしてる時間が好きなので、これからもそういう機会を増やしていきたいですね。」
その場のノリを大切に、「面白い」と感じるものを油絵で表現する。
「無理に考え込まない」という姿勢がukawaさんの強さであり、魅力なのだと感じました。
最後に、ukawaさんからおたより本舗のお客様に向けて、メッセージをいただきました。
「ご覧になった方がフフッと笑って『ちょっとこれ見て』と隣の誰かに回したくなるようなイラストを描いたつもりです。
大切なお年始のご挨拶としてお選びいただければ嬉しいです!」
ちょっぴりミステリアスで心に引っかかるukawaさんの油絵年賀状、ぜひチェックしてみてくださいね。
(編集:村上)