年賀状デザインの裏バナシ | ペーパーアート作家 こじゃる ~つくり手の想いを知る~
ペーパークイリングの世界にワクワク
不思議な紙が描くアートが魅力
ペーパーアート作家
こじゃる
細く長い紙をカールさせ、さまざまな形を表現するペーパークイリング作家。作り手の目線から、クイリングの道具・材料専用ショップも運営する。紙の曲線を生かした、しなやかで女性らしい作風が魅力。繊細な技法を取り入れた花や動物の作品も可愛らしく、見ているだけで楽しい気持ちに。
若い女性を中心に人気上昇中!「ペーパークイリング」
「ペーパークイリング」という言葉をご存知ですか?
細く長い紙をカールさせ、パーツを組み合わせて立体物を作る、いま人気上昇中のペーパークラフトです。
16世紀にヨーロッパの修道女たちが、聖書の製本時に出た紙の切れ端をクルクル巻いて装飾したことが始まりと言われています。
そんなペーパークイリングで、器用に干支のモチーフを表現するのは、ペーパーアート作家のこじゃるさん。 今回は、おたより本舗スタッフがご本人に少しお話を伺ってみました!
2020年の子年年賀状では、ミニチュアのおせち料理に挑戦してくださいましたね。
「おせち料理をこんなに小さく作ったのは初めてで、チャレンジして楽しかったです。エビはティッシュを丸めて作ってみました。」
まさかティッシュとは…!身近なアイテムでできていることに、スタッフも驚きました。
ちょっとした彩りや、飾り切りされたニンジンも、芸が細かくていつまでも見ていられそうです。
専用の道具「クイリングツール」で形を整えていく
紙を綺麗なうずまき状にカールさせる上で必要となるのが、紙を巻きつけるための細い道具。
こちらは「クイリングツール」と呼ばれています。
このクイリングツールにも、太さや長さなどさまざまな種類があるのだとか。
こじゃるさんは、作品を作る立場だからこそおすすめできる道具や材料を取り揃え、ペーパークイリングの専門ショップも運営されています。
上級者向けのツールはもちろん、初心者が使いやすい道具やキットも扱うことで、紙を触る楽しさを広めていらっしゃいます。
クマのボブさんがオーナー!?「ボブカフェ」
こちらはこじゃるさんにとって初の大作となった作品、「ボブカフェ」。
40歳独身のクマ、「ボブさん」がもしカフェをしたら?というテーマで手がけたそう。
「大きな作品なので、崩れないように完成させるのが難しく、何度も作り直しました。」
クマ型の抽出タンクや、クマを模したパフェなど、ボブさんのセンスもうかがえる楽しい作品です。
この「ボブカフェ」は、2014年に開催されたイベント「第1回 Cristmas Art Competition in YOKOHAMA」に出展され、来場者6,000人の人気投票でなんと1位に。
こじゃるさんにとって初の海外出展となる、ロンドンの作品展にもつながり、国境を越えて多くの人が「こじゃるワールド」に引き込まれていくきっかけとなりました。
頭の中にある物語を切り取って作品に
こじゃるさんがペーパークイリングと出会ったのは、お子さんが生まれてからだったそうです。
「長男が生まれた頃から病弱で、毎日寝る間も惜しんで看病をしていた時にペーパークイリングを知りました。作品を作っている間だけは家事や育児から開放され、紙を触る楽しさに目覚めていきました。」
こじゃるさんの作品には、可愛さの中にもクスッと笑える要素が盛り込まれており、じっくり見入ってしまうファンも少なくありません。
写真は、クジラが海で泳いでいるシーンを切り取った作品。
よく見ると、クマのボブさんも隣で必死に白目をむいて泳いでいます。
こじゃるさんによると、ボブさんがクジラを写真に納めたくて追い付こうとしている場面なのだそう。
頭の中にある世界を切り取って形にすることが大好きなこじゃるさん。 心の底から楽しんで作っているからこそ、見ている人にもワクワクが伝わってくるのかもしれません。
皆でワクワクしながらクイリングを
現在、若い女性をターゲットにペーパークイリングの楽しさを知ってもらい、手軽に始められるようにと、教室も運営しているこじゃるさん。
「皆が楽しめる教室が作れたらなと思っています。皆でワクワクしながら一緒にクイリングを楽しみたいです。」
見て楽しい、作って楽しいペーパークイリング。
知れば知るほど引き込まれる、この魅力をあなたも年賀状で届けてみませんか?
(編集:村上)