年賀状デザインの裏バナシ | デザイナー こいけかおり ~つくり手の想いを知る~
自由で楽しいことが一番!
年賀状を送り合う、美しい慣習を愛して
デザイナー
こいけかおり
グラフィックデザイナーとして24年間、業界の仕事に携わる。
広告・イラスト・書・写真などに関わる多方面で活動中。
おもわず手にとってしまう年賀状たち
2023年にユニット「conchoca(こんちょか)&こいけかおり」として、おたより本舗の年賀状デザイン作りに参加し、翌年からは独立。長年にわたって年賀状に携わり、培ったセンスで多くの人の心を掴みます。
シンプルではっきりとした色使い。目立つけれどどこかほっこりしていて、思わず手にとってしまう年賀状たち。
そんなデザインがどのようにして出来上がるのか、その手がかりをつかむべく話を聞いてみました。
「美しい」と感じる空間
—— グラフィックデザイナーとして様々な印刷物のデザインを手掛けてこられた中で、最も意識していることは何ですか?
こいけ:「空間を意識した温かでアーバンなデザインが得意です。タイポグラフィを活かし、シンプル・ミニマルに徹したデザインを独自のスタイルと考えて貫いてきました。」
—— デザインにおいて、どのような要素を重視していますか?
こいけ:「私は、媒体が紙であっても常にその空間をデザインするという捉え方をしています。どのような書体やモチーフを選び、どう配置するか、それらを美しく見せるのは総体的な印象、つまり空間だと思っています。デザインの中に私らしさや個性を配置しているのではなく、目にする人に「美しい」と感じてもらえる空間をデザインすること自体に自身の独自性を見出しています。」
人と人との心をつなぐ年賀状
—— 年賀状というアイテムに対しての、思いとは。
こいけ:「年賀状を送るという日本の美しい慣習が好きで、これまでも自分自身が送りたくなるモチーフや色合いをイメージしながらデザインを作り続けてきました。空間をデザインする話をしましたが、年賀状デザインを作る時はそこにはこだわり過ぎず、自由で楽しいことを一番に考えています。」
年賀状は送る人と送られる人がいることを強く意識しているのだそう。使う人へ思いを馳せることが、人と人の心をつなぐラインナップを生み出しているのでしょう。こいけかおりさんのデザインには、そんな温かい思いが込められています。おたより本舗はこれからもその活動に注目し続けます。
(編集:高島)